社会

日系飲食チェーンが「タイから撤退⇒ベトナムに進出」連鎖の「味付け事情」舞台裏

 ベトナムに日系の飲食店チェーンが続々と進出している。今年5月にはホーチミン市10区に「吉野家(YOSHINOYA)」の2号店がオープンし、8月20日には「サイゼリヤ」が進出を発表した(写真はホーチミンの街)。

 一方で近隣国のタイでは反対に、飲食店チェーンの撤退が相次いでいる。2022年には「丸亀製麺」が撤退し、今年5月には「東京チカラめし」がわずか1年3カ月で引き上げてしまった。

 近年、タイでは富裕層が増加し、日本食レストランの需要が高まっている。にもかかわらず、日系飲食チェーンが次々と逃げ出すのはなぜか。ベトナムで日系飲食チェーンが拡大し続ける背景とともに、バンコク在住のジャーナリストが解説する。

「タイ料理が苦手な日本人が多いように、タイ人にとっても日本食の味付けが合わないことが一因だと思います。タイ料理は濃い味付けで辛いものが好まれるため、日本食レストランに行っても唐辛子をたっぷりかけて食べるタイ人がいますね」

 そのため、ラーメンや焼鳥のような濃いめの味付けが好まれる一方で、出汁を使ったまろやかな味付けの料理はあまり受け入れられないという。これを裏付ける例として挙げられるのが、日本では人気の高い丸亀製麺だ。バンコク在住ジャーナリストが続ける。

「その一方で、ベトナム人にはフォーやバインミーのような、あっさりした味付けの料理が好まれます。タイから撤退した丸亀製麺は、ベトナムでは15店舗以上を展開しています。ベトナムと日本は味付けが似ているため、丸亀製麺が受け入れられているのでしょう。そもそもタイとベトナムの味付けはまったく異なり、『ベトナム料理は味が薄い』とあからさまに不満を言うタイ人がいる。実際にタイでは、ベトナム料理のレストランをほとんど見かけませんね」

 日系企業の進出が活発であり、さらに日本人と食の好みが似ているならば、ベトナムへのチェーン店の急速な進出事情は納得できるのである。

カテゴリー: 社会   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身