社会

「タイで誘拐された」日本人の緊迫実況動画をめぐる「真実と疑問」

「タイでタクシーに誘拐されかけた」

 そんな衝撃的なショート動画を公開して物議を醸したのは、チャンネル登録者数84.9万人を誇る人気YouTuber「名前募集中」だ。

 問題の動画はバンコク市内の三輪タクシー「トゥクトゥク」に乗車中の出来事を記録したもので、投稿者は「目的地とは逆方向に走行され、何度も『STOP!』と叫んだのに止まらなかった」と証言。信号を無視し、不安げにGoogleマップの位置情報をカメラに映しながら「めっちゃ川の方に向かっとる。マジで怖い」と語る姿が映されている。

 その後、人通りの少ない場所で停車し、運転手は誰かと電話でやりとり。動画の続編では、突然現れた人物から「Japan」と話しかけられる場面が記録されており、投稿者は「まだ顔が見えない距離なのに、なぜ自分が日本人とわかったのか」と視聴者に問いかけている。

 こうした「誘拐未遂体験」を目にしたSNSユーザーからは「タイってそんなに危ないの?」「旅行先として不安」などの反応が相次いだ。しかし一方でタイ国内からは、冷静かつ懐疑的な声が上がっている。

「バンコクのトゥクトゥクが観光客相手に高額請求するのは、今に始まったことではない」

「ガイドブックやネットにも注意喚起が載っている。なぜわざわざ乗ったのか」

 そんな冷ややかな指摘があるのだ。

 さらには「撮影ありきのヤラセでは…」「わざとらしく大げさに騒いでSNS映えを狙ったのではないか」といった疑念が噴出しており、同情どころか演出疑惑まで巻き起こる事態に。

 事実、トゥクトゥクをめぐるぼったくり行為は、以前から指摘されている。高額な料金をふっかけるのは序の口で、目的地とは別の土産物店などへ強引に連れて行き、買い物を強要するといった悪質なケースも報告されている。観光客側にも一定のリテラシーが求められるのは言うまでもない。

 こうしたSNS発の騒動が続けば、タイという国そのものに対する好感度が、不当に損なわれるおそれがある。「見る側」に求められるのは、発信された情報を鵜呑みにせず冷静に見極める姿勢と、海外で自らを守るための判断力だ。

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