スポーツ

「俺がいていいのか」1998年フランスW杯「カズと北澤が落選」で代わりに呼ばれた男の不安

 日本サッカー史に残る大事件…そのひとつに挙げられるのは、1998年W杯フランス大会直前の「三浦知良と北澤豪の落選」だ。

 2人はチームの中心選手として最終予選を戦い抜き、本戦でも活躍が期待されたが、開幕を目の前にしてメンバーから外された。

 この時のことは、北澤氏自身や監督だった岡田武史氏ら当事者がすでに何度も語っているが、代表メンバーだった伊東輝悦(現在はアスルクラロ沼津所属)が当時の心境を明らかにした。

 伊東は前園真聖氏のYouTube動画に出演すると、自身のサッカー人生を振り返る。1996年のアトランタ五輪に出場した伊東は、1997年に初めてA代表に選出された。W杯予選には呼ばれなかったが、翌年にはフランス大会のメンバーに選ばれた。そしてW杯直前、カズと北澤がメンバーから外された時のことを、

「僕は最後の最後でサプライズじゃないけど、急に入って、スイスの事前合宿に行きました。で、カズさんと北澤さんが外れます。えっ!?って」

 驚いたのは覚えているが、いつ落選を知ったのかは記憶にないという。続いて襲われたのは、大きな不安だった。

「予選から入ってないから、チームメイトとはそんなに(交流が)ない。コミュニケーションを取るのが僕自身、そんなに得意でもない。そんな中でのカズさんと北澤さん(の落選)だから『大丈夫か俺は。俺がいていいんか』って思った。周りとコミュニケーションが取れてなかったから、気まずさがあった。『俺、大丈夫か』と思っても誰とも共有できないし、変な感じでしたよ」

 自分のせいでカズと北澤が外れたと思われたらどうしようかと、不安になったのを覚えているそうだ。

 カズと北澤に代わってフランス大会メンバーとなった伊東だが、本大会での出場はなし。ピッチに立てなかったことは、今も残念に思っているという。

(鈴木誠)

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