芸能

上田慎一郎「脚本は内野さんとのタイマン勝負で」/テリー伊藤対談(1)

 2017年の映画「カメラを止めるな! 」で一躍名を上げた上田慎一郎監督。最新作「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」の公開を間近に控え、当対談に2度目の登場。「痛快エンターテインメントです」と自信をのぞかせれば、天才テリーも大絶賛!  製作の裏側に迫った。

上田 ご無沙汰です。「サンジャポ」以来ですね。

テリー あと、あの時もじゃない?「スペシャルアクターズ」が公開になる時。

上田 はい。2019年公開の映画なので、もう5年前ですね。

テリー そうか、早いなぁ。でね、今回の映画もさっそく拝見しました。「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」。これ、面白かったなぁ!

上田 よかった。ありがとうございます。今回はとにかく直球のエンターテインメントを作ろうと。「ほんとに面白かった」って言いながら、映画館を出てもらえる痛快娯楽作になったと思います。

テリー 「公務員と詐欺師」という水と油みたいな不思議な組み合わせはどういうところから発想したんですか。

上田 これは韓国のドラマが原作で。マジメな公務員と天才詐欺師が手を組んで、脱税王から大金をだまし取るという全16話のドラマなんですけど、それを「2時間の映画にしよう」とプロデューサーから声をかけていただきました。

テリー で、見たら面白かった。

上田 はい。僕、犯罪者たちがそれぞれの特技を生かして何かを強奪する、「オーシャンズ11」とか「スティング」みたいな映画が大好きなんですよ。

テリー 「スパイ大作戦」とか。

上田 そうです、そうです。そういうワクワクする映画をいつか撮りたいと思っていたので、喜んでお受けしました。

テリー そのマジメな公務員役は内野聖陽さんですけど、実は僕、最初それが内野さんってわからなくて。普段は格好いい役が多いし、「この情けない男は誰?」っていう。

上田 そうおっしゃる方は多いですね。「JIN-仁-」(TBS系)の坂本龍馬役とか、結構男らしい役を演じられることが多いと思うので。それが今回はマジメで、事なかれ主義で、ちょっと情けない男にも見えるというか。

テリー どの段階で内野さんにお願いしようと思ったんですか。

上田 オファーしたのは脚本がある程度進んだ時です。あるドラマを見たら、格好悪さと格好よさの両面をすばらしく演じ分けていらして、その格好悪い部分が僕にはすごくチャーミングに見えたんですよ。それでいて格好よくキメることもできるし、これは内野さんしかいないと。

テリー どうでしたか、一緒にやってみて。

上田 僕の映画って、今までは結構無名の俳優たちと、リハーサルとかを重ねながら作っていくことが多かったので、このスター俳優たちと、撮影前にリハーサルとか時間を取れるのかなっていうのが不安だったんですね。ただ、内野さんの方から、「撮影前からガッツリ肩を組んでやれるならやりたい」っておっしゃってくださって。

テリー ええ〜っ、それはうれしいね。

上田 そうなんですよ。だから、ほんとにもうタイマンに近いような形で、脚本打ち合わせも何回も重ねて撮影に入りました。

ゲスト:上田慎一郎(うえだ・しんいちろう) 1984年、滋賀県出身。中学生の頃から自主映画を撮りはじめ、独学で映画を学ぶ。2009年、自主映画制作団体を結成。10本以上を監督し、国内外の映画祭で46冠を獲得。2018年、初の劇場用長編「カメラを止めるな! 」が2館から350館へ拡大する大ヒットを記録。その後、「スペシャルアクターズ」(2019年)、「100日間生きたワニ」(2021年)、「ポプラン」(2022年)が劇場公開。2023年には縦型短編監督作「レンタル部下」が第76回カンヌ国際映画祭による「TikTokShortFilmコンペティション」にてグランプリを受賞。最新監督作「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」が、11月22日(金)より新宿ピカデリーほかで全国公開される。

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