社会

医師・帯津良一の健康放談「“ハマラメ”から始まる老化を遅らせましょう」(1)

20150305w1st

 男性の体が老化する順番を、俗に「ハマラメ」などと言います。まず歯(ハ)がダメになり、マラ(下半身)がダメになり、目(メ)がダメになる順番を表している言葉です。「そうじゃない、ハメマラ」だという人もいるわけですが、「歯」と「目」と「性機能」は老化の第一歩と考えられているということです。

 若い時はスポーツなど、筋肉を激しく使う運動で鍛えるのもいいです。しかし50歳を超えたら老化を止めるのではなく、進むペースをゆっくりとさせることが肝要だと思います。

 まず「目」の老化を遅らせるお話をします。

 2~3年前にある雑誌で加山雄三さんと対談したのですが、彼は「目も歯も現役だ」とおっしゃっていました。さすがにもうひとつのお話にはなかなか至りませんでしたが(笑)‥‥まぁ推して知るべしというところでしょう。

 ここで言う「目」とは、主に「老眼」と皆さんが呼んでいる症状です。正式には「老視」と呼ぶのですが、加山さんは老視とも無縁だと言うのです。

 彼は私の1歳年下の1937年生まれで、対談した当時で75歳。老視は40~60代初めに自覚することが多いと言われていますが、恐らく、趣味であるヨットにたびたび乗り、広大な海を眺め続けたことが功を奏しているのでしょう。「遠景を見ると目がよくなるのは都市伝説」などと言われていますが、加山さんの目が悪くなっていないところを見ると、あながちウソとは断定できないと感じさせられました。

 ちなみに、私もいまだに老視にはなっていません。私が治療に用いている自己治癒力を使う同種療法、ホメオパシーに関する書物を開き、裸眼で英語の辞書並みの小さな文字を読むと、「読めるんですか!?」と患者さんに驚かれることもしょっちゅうです。

 老視ではない代わりに近視ではありますが、小さい文字を読む時は眼鏡を外せば、日常生活に何ら不自由しません。同年代の仲間の中には、白内障で手術する人もちらほらいますが、その気もありません。

 私が老視にならないのは、呼吸により体内の“気”の流れをよくする気功のおかげだと信じています。

 江戸中期の禅僧、白隠慧鶴〈はくいんえかく〉禅師も、呼吸法など実践的治療法を説いた著書「夜船閑話」の中で、このように語っています。

「70歳を超えたが老眼鏡も使わないし、日々の法話の回数も減っていない。これは呼吸法のおかげだ」

 中国で生まれた「禅」を日本に広め、「禅(臨済禅)の中興の祖」と呼ばれる白隠禅師が、老眼鏡を使わないのは呼吸法のおかげだと明言しています。なぜ気功が眼の老化に効果的なのか──そのことの前に「呼吸」と「身体」の関係について説明したいと思います。

 私が気功を始めたのは、82年。埼玉県川越市に帯津三敬病院を設立し、病院内に気功の道場を作って患者さんと一緒に始めました。46歳で始め、今年で33年目になります。

◆プロフィール 帯津良一(おびつ・りょういち) 医学博士。東大医学部卒、同大医学部第三外科、都立駒込病院外科医長などを経て、帯津三敬病院を設立。医の東西融合という新機軸をもとに治療に当たる。「人間」の総合医療である「ホリスティック医学」の第一人者。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身