能登半島地震の発生から1年が経過したが、その後の豪雨災害もあり、復興への道のりは依然として厳しい。これ以上、日本で自然災害が起きないことを祈るばかりだが‥‥。
地震前兆研究家の百瀬直也氏が着目するのは「FBI超能力捜査官」の異名で知られ、アメリカで難事件を解決に導いたジョー・マクモニーグル氏の予言だ。
「マクモニーグル氏は、11年の東日本大震災の津波被害を半年ほどの誤差で予言し、18年に最大震度6弱を記録した大阪府北部地震も的中させたことで知られています。そして彼の著書に《2025年夏、高さ16.8メートル》との記述があるのです。東日本大震災で確認された津波の高さは最大で9.3メートルですから、その倍近くもある超巨大津波が日本を襲うということになります」
東日本大震災では東北地方を中心に1万9000人以上の死者・行方不明者を出した。マクモニーグル氏の予言では、地域こそ特定されていなかったが、
「巨大津波で考えられるのは海溝型地震。南海トラフ巨大地震が頭に浮かびますが、ここで注視すべきは黒潮の動き。黒潮の大蛇行が終わった後は大地震が発生しやすいとする学説があります。実は17年以降、黒潮大蛇行が続いていて、これによって大地震を抑え込んでいるとすれば、プレートのひずみもだいぶ溜まり、地震によって放出されるエネルギーもかなり強大になる。JAMSTEC(海洋研究開発機構)の予測によれば、少なくとも2月までは大蛇行が続くと見られていますが、引き続き黒潮の動きは注視しておく必要があるでしょう」
なお、12年に内閣府が発表した資料では、南海トラフ大地震が発生した際の最大津波高を静岡県で33メートル、高知県で34メートルと想定している。
そして気になるのが、99年に刊行された漫画「私が見た未来」(飛鳥新社)で《大災害は2011年3月》と綴って大反響を呼んだ漫画家・たつき諒氏が見た「予知夢」だ。21年に上梓した同書の「完全版」では、《その災難が起こるのは、2025年7月》としたうえで、
《日本列島の南に位置する太平洋の水が盛り上がる》
《太平洋周辺の国に大津波が押し寄せました》
と綴っている。前出・百瀬氏が解説する。
「たつき氏はフィリピン海の真ん中を〝震源〟としていましたが、その付近に大きなプレートの境界は確認されておらず、可能性として考えられるのは海底火山の噴火。新しい陸地ができるほどの大噴火となれば、日本の太平洋沿岸にも巨大津波が到達する可能性は高いと言えるでしょう」
リスクは津波が押し寄せる沿岸部に限らない。
「南海トラフ地震、富士山の噴火、そして南関東の首都直下大地震はそれほど間隔を置かずに発生する傾向があります。つまり、どれかひとつが起きれば連鎖を引き起こす可能性が考えられるのです。心構えのひとつとして覚えてほしいのが、過去の事例を見ても、公共機関などの援助により、大地震で餓死するケースは非常に少ないという点。東京などの都市部では群衆パニックの方が怖い。そして困るのはトイレの問題。能登半島地震を教訓に、簡易トイレを準備しておくことも大切」(前出・百瀬氏)
常日頃から防災対策に努めたい。