スポーツ

プロレスラー・TAJIRI緊急寄稿!トランプ「暴君政策」はプロレスのアングルだ!(3)クレイジーな独裁者の失脚

「多くの同胞が強制送還されてしまうかもしれない。彼が大統領になったことはプロレスマニアにはおもしろい出来事かもしれないが、我々メキシコ人にとっては家族離散などの大きな災いをもたらすものだ」(カリフォルニア州在住、47歳・メキシコ人元レスラー)

 あらかじめ断っておく。彼はグリーンカードを取得しているが、同じ勤務先で働いている同胞の清掃員、近辺住民らの多くは不法滞在だという。そして最後に紹介するのが、こちらのコメントだ。

「良い点も悪い点もある人物だが、リーダーシップとカリスマ性は最高にすばらしい。しかも政治をまるでプロレスのように執り行うのが興味深い。だが彼が大統領として支配する向こう4年間、アメリカはさらにお互いが不親切となり、人種差別の多い国となるだろう」(ニューヨーク州在住、41歳・黒人男性レスラー)

 WWEを世界的組織にまで作り上げたビンスは、あらゆるプロレスの手法で人心を巧みに操り、世界規模の地位と名誉と財産を得た。ビンスとトランプはまるで合わせ鏡だ。良くも悪くもすべてがクレイジー。しかし昨年、片方のクレイジーであるビンスは女性スキャンダルがきっかけで独裁者並みのパワハラ・セクハラが発覚し、世の中から忽然と姿を消した。それはトランプの未来を暗示する出来事なのだろうか。

 ちなみに先に記載したコメントはどれも、意図的に反トランプ派をチョイスしたわけではなく、自然と集まったものであることを念のため書き記しておく。

 イリュージョニストであるトランプが中心軸となるであろう、今後の世界情勢。我々はイリュージョン‥‥いや、最後はあえて「プロレス」と言ってしまおう。我々はプロレスを理解することで、激動の世界の解像度が上がって見えてくるものなのかもしれない。

TAJIRI:1970年生まれ。94年プロレスラーデビュー。日本のプロレス団体のほか、メキシコ・CMLL、アメリカ・ECW、WWEで活躍。現在、九州プロレス所属。172cm、82kg。著書に『プロレス深夜特急 プロレスラーは世界をめぐる旅芸人』『戦争とプロレス』(弊社刊)など。最新刊『プロレスの味わい 世界から地方に来て幸せになった男』(西日本新聞社)。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身
4
前世の記憶を持つ少年「僕は神風特攻隊員だった」検証番組に抱いた違和感
5
前田日明「しくじり先生」で語らなかった「最大のしくじり」南アフリカ先住民事件