今ほどコンサートや生番組で安全対策が万全でなかった昭和の時代。ステージに駆け上がるなどして「犯行」に及ぶ暴漢が時として世間を騒がせた。観客らの面前で繰り広げられた無法行為の舞台裏とは――。
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昨年のNHK紅白歌合戦で母娘共演して話題になった松田聖子(49)。彼女がアイドル絶頂期の83年に、沖縄市営体育館で行われたコンサートで起きたのが、「聖子殴打事件」だ。
客席最前列にいた若い男性が舞台に上がると、持っていた約30センチのスチール製の工具で聖子に殴りかかった。叫び声や怒声が飛び交う中、スタッフらが男性を羽交い締めにして取り押さえた。
逮捕されたのは、埼玉県入間市の聖子の大ファンだという当時19歳の少年だった。事件を取材した前出の石川敏男氏が話す。
「このコンサートは、ある民放の歌番組で生中継する予定で行われたんです。聖子さんは、このあと20年以上、沖縄公演のトラウマが残り続けたようで、生中継を前提としたコンサートを行わなくなってしまったんですよ。最近、再びやるようになって安心しましたね」
一方、一時は聖子とライバル関係にあったが、現在は無期限で休業中の中森明菜(47)もアイドル人気絶頂の時代に、危機一髪の目にあっている。
芸能関係者が振り返る。
「88年3月下旬に渋谷で行われた歌謡番組の生中継に明菜が出演した時のことです。ランクインした曲を明菜が歌いだすと、ステージに向かって近づいて来る男性がいる。その男性が次の瞬間に何かを投げつけたんです。よく見るとB5判の大学ノート。その直後、男性はガードマンらに取り押さえられました。ノートには明菜への思いがつづられていたそうですが‥‥」
身柄を拘束された当時23歳の長崎県在住の男性は、警察の事情聴取に「明菜がテレパシーでオレを呼んでいる!」と意味不明のことを話していたという。
さて、平成に入って歌謡番組の生中継自体が激減したが、別の形での公衆襲撃の被害に見舞われたアイドルがいる。AKB48である。
大島優子(24)が香港でサイン会を行った昨年の2月26日。香港では、AKB48のオフィシャルショップがオープン早々大盛況になっていた。そんな中、1000人を超えるファンを集めて行われたのだが、大島の表情はなぜか硬かったという。さる芸能関係者が明かす。
「香港で、このイベント前にインターネットの掲示板に『精液が付いた手で大島優子と握手しよう』という書き込みがあったんです。主催者側が影響を憂慮し、会場に消毒液を準備。握手会については選ばれた24人に限定して行ったそうです。消毒液についてマスコミに質問された主催者は、『鳥インフルエンザを防ぐための措置』と苦しい言い訳に終始。『香港のファンが情熱的なのはわかるが、ここまでやられると悪質すぎる』と、日本のAKB関係者は苦りきっていました」
とはいえ、日本でも似たようなことは起こっている。「握手会でメンバーに『オシッコを飲ませてください』と懇願した男もいたし、右手で握手して、左手でメンバーの胸もとに手を伸ばそうとしていたヤツもいたそうですよ」(芸能プロ幹部)
まさに、ファンとのコミュニケーションを大切にするというAKB48のコンセプトを踏みにじる行為。アイドルと無法ファンとの攻防は時代が変わってもなお、巧妙化して続いていくのか‥‥。
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