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記事全文を読む→尾藤イサオ「とにかく忙しくて遊びどころじゃ…」/テリー伊藤対談(2)
テリー じゃあ「曲芸をやめて歌手になるんだ」って言った時は師匠も驚いたんじゃないですか?
尾藤 そうですね。「曲芸をやめてプレスリーを歌いたいんです」って言ったら、「お前は本物の不良になるのか」って(笑)。当時の師匠のような世代の方からすると、同じ洋楽でもわけがわからない感じだったんでしょうね。
テリー それまでだとパット・ブーンとかペリー・コモとかね。
尾藤 フランク・シナトラだとか、そういうのが一瞬にしてガラーンと変わりましたから。僕なんかはもうそれがたまらなかったんですけどね。
テリー それでナベプロ(現ワタナベエンターテインメント)に入るんですか。
尾藤 いや、「大橋プロダクション」という渡辺プロの下請けみたいなところで、先輩に鹿内孝さんやフランツ・フリーデルさんという方がいました。それで「フランツ・フリーデルとファイア・ボール」というバンドに入れてもらって、フランツさんの前歌をやってたんですね。
テリー 鹿内さんは格好よかったですよね。
尾藤 そうですね。その頃、鹿内さんはブルー・コメッツで歌っていたんですけれども、鹿内さんが忙しくなってきて、ザ・ピーナッツのショーだとかに行くようになるんです。そうすると今度はブルー・コメッツが空いちゃうからフランツさんがブルー・コメッツで歌うようになって。
テリー そういうことか。
尾藤 はい。それでフランツさんの穴を埋めると言いますか、「尾藤イサオとファイア・ボール」みたいな形で、ずっとジャズ喫茶でやらせてもらってました。
テリー そんな中、1964年に「悲しき願い」が大ヒットしますよね。
尾藤 その前に3枚のレコードを出してましたから、それが4曲目ですね。事務所でも「尾藤、お前のレコードが売れ始めたぞ」なんて言われましてね。テリー うれしかったでしょう?
尾藤 そうですね。ただ、僕はどっちかと言うと、歌よりもとにかく「動きがすごい」っていうことで、テレビのレギュラーやなんかが決まったもんですから。
テリー あの頃、内田裕也さんとかと一緒に出てたじゃないですか。これ、怒られちゃうけど、裕也さんはそんなに踊りが上手くなかったから。ああいう踊りができるのは、尾藤さん以外に誰もいなかったですよね。
尾藤 僕がアメリカへ行った時って、もうツイストが流行っていて、僕はそういうのを見てましたから。
テリー 日本人は初めて見てみんなひっくり返ってましたよね。僕なんかもマネしましたけど、尾藤さんみたいにセクシーには全然踊れなかった。
尾藤 あ、そうですか(笑)。
テリー あの頃ってモテモテですよね。どこへ行っても追っかけがいっぱい来るじゃないですか。
尾藤 そうですね。
テリー そういうのは全員エッチしてたんですか。
尾藤 エッチですか? いやいや、2回ぐらいです。何言わせるんですか(笑)。
テリー アハハハ。たぶんね、裕也さんとか安岡力也さんはヤンチャだったと思うんですよ。
尾藤 いや、やっぱりファンの人とそういう関係になるのはなかったんじゃないかと思いますね。
テリー 尾藤さんも?
尾藤 真面目ですよ。とにかく忙しくて、それどころじゃなかったですし。
テリー 確かに尾藤さんって、女性関係の話をほとんど聞かないんですよね。
尾藤 ないですね。周りにいるのが中尾ミエちゃんだとか伊東ゆかりちゃんだとかで、そういう関係になりようもなかったというか。
テリー ああ。あのへんは厄介だから(笑)。
尾藤 とにかく朝起きるとテレビ番組の生放送や収録があって、それが終わるとすぐにジャズ喫茶に行って、昼の1時から5時まで4回公演。夜はまた別のジャズ喫茶へ行きますからね。当時は朝までやってるところもいっぱいあったんですよ。だから、ホントにそれどころじゃなかったですね。
ゲスト:尾藤イサオ(びとう・いさお)1943年、東京都生まれ。曲芸師として活躍する傍ら、中学時代にエルヴィス・プレスリーに出会い、ロカビリー歌手を目指す。1960年、プロダクションに所属し、都内のジャズ喫茶などに出演。それがテレビプロデューサーの目に留まり、「パント・ポップショー」(TBSテレビ)や「森永スパーク・ショー」(フジテレビ)にレギュラー出演する。1964年、カバー曲「悲しき願い」が大ヒット。1966年、ビートルズ日本公演の前座を内田裕也やブルージーンズらと務めた。1970年、テレビアニメ「あしたのジョー」の主題歌を歌い、代表作のひとつに。また俳優としても多くの映画やドラマに出演。現在「夢グループ20周年記念コンサート」で全国ツアー中。8月10日(日)にはZepp DiverCity TOKYOで開催される「スーパーアニソン魂2025“夏の陣”~THE LEGENDS~」に出演。
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