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Posted on 2026年06月18日 11:30

オークス馬ジュウリョクピエロ「凱旋門賞回避」夏場の休養を経て「秋華賞からエ女王杯へ」方針変更は実に賢明だった

2026年06月18日 11:30

 今年のGI・オークス(5月24日、東京・芝2400メートル)で、驚異の鬼脚で桜花賞組を捻じ伏せ、3歳牝馬クラシック戦線の「押しも押されもせぬトップホース」に躍り出たジュウリョクピエロ。今村聖奈が導いたその勝ちっぷりはまさに、圧巻のひと言だった。

 ジュウリョクピエロ陣営はオークス参戦前から出走登録していた国際GI・凱旋門賞(10月4日、パリロンシャン・芝2400メートル)への出走を回避。夏場の放牧休養を挟んで、今秋はGI・秋華賞(10月18日、京都・芝2000メートル)を大目標としつつ、その後は古馬との初対戦となるGI・エリザベス女王杯(11月15日、京都・芝2200メートル)に駒を進める「新プラン」を明らかにした。
 凱旋門賞への思いを断ち切り、国内GI戦線への専念を決断。寺島良調教師(栗東)をはじめとする陣営の選択は実に賢明で見事だったと、筆者は評価したい。

 凱旋門賞における3歳牝馬の負担重量は、4歳以上牡馬の59.5キロに対し、55キロ。この斤量差を武器にこれまで、多くの3歳牝馬が好走劇を演じてきており、海外調教馬を含めた各陣営が「これなら!」という色気を持つのは当然だろう。
 加えてジュウリョクピエロの父は、2012年と2013年の凱旋門賞で2着に惜敗した名馬オルフェーヴル。さらに言えば、サンデーサイレンスの「3×3」という「狂気の血」を有しており、常識外れの偉業をやってのける素地は十分にある。

 しかし、である。完成途上にある3歳牝馬にとって、航空機による海外輸送をはじめとする激烈な環境変化は未知の領域だ。先ほど指摘した斤量55キロの優位性についても、冷静に考えれば「牝馬としては極量に近い負担重量」なのだ。

「見えざる負担」リバティアイランドの悲劇

 そこで思い出されるのが「10年に一度の怪物牝馬」と称されたリバティアイランドの悲劇である。同馬は2024年の天皇賞・秋を快勝した後、同年12月8日の香港カップから翌年4月5日のドバイターフ(いずれも2着)へと転戦した。
 そうして迎えた4月27日のQE2世カップ(香港シャティン)。リバティアイランドはレース中に故障を発生し、現地で予後不良の措置がとられたのである。

 筆者は同馬を管理していた中内田充調教師(栗東)をはじめとする陣営の選択を非難するつもりは毛頭ない。ただ結果論として言えば、過酷な海外遠征がリバティアイランドに見えざる負担を与えていたと思えてならないのだ。

 ジュウリョクピエロに話を戻せば、陣営はエリザベス女王杯の後、暮れの有馬記念への出走も視野に入れているようだ。
 だが3歳牝馬にとって、秋のGI3戦は過酷なローテ。凱旋門賞同様、有馬記念にも英断が求められると、筆者は考えているのだが…。

(日高次郎/競馬アナリスト)

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