フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は4月30日、都内で定例の取締役会を開き、総務省から指導を受けた行政改革を公表。FMHの金光修社長ら5人の取締役のうち、フジテレビの清水賢治社長を除く4人が退任することになった。
取締役会終了後、金光氏と清水氏は東京・台場のフジテレビで会見に臨んだ。金光氏は「本年6月の株主総会終結の時をもって、任期満了にて退任します」と明言し、その理由を「役員の定年制度を導入したことを受けたもの。1人の権力が長く滞留する制度は、やはり私の代でけじめをつけた方がいい」と説明した。
唯一、取締役として残る清水社長をめぐっては、「週刊文春」でセクハラ行為の告発文書の存在が報じられている。それによると、女性社員のお尻を触るなどの行為に及び、部下に注意されても「私はね、シミケンじゃなくて、今日からシリケンだから」と言い、懲りずに触り続けていたという。醜態は複数人が目撃しているとされ、清水社長は酔うと、相手の髪を触ったりもするのだと…。
会見でこの点について、清水社長は「今現在、私が業務執行のトップにいる。会社として利害関係のない第三者によって調査中です」と言及するにとどまった。放送担当記者が解説する。
「現在、フジテレビは3月31日に公表された第三者委員会の報告書を踏まえ、ハラスメント実態などのさらなる社内調査に着手中です。第三者委員会の調査は、デジタルデータの保全・解析が容易な現行の情報管理システムが導入された2016年4月1日以降を対象期間としていましたが、今回の調査はそれ以前も対象としている。なので、過去の幹部らのセクハラやパワハラが報告されるかもしれないし、清水氏に関してもただのエロおやじという『裏の顔』が暴露されることになるかもしれない」
会見では喜怒哀楽を表に出さないよう努めている清水社長だが、戦々恐々の日々を送っているかもしれない。
(高木光一)