今シーズン2度目となった大谷翔平の先頭打者本塁打は、4月30日のマーリンズ戦で飛び出した。この7号弾が出たのは1回の第一打席、2022年サイ・ヤング賞右腕アルカンタラの速球を、弾丸ライナーでライトスタンドに放り込んだのである。大谷の先頭打者本塁打は、メジャー通算14本目となった。と同時に、父親になってから初めての本塁打ということもあり、メディアはこぞって「パパ1号」と大々的に報じた。
しかし、野球界において「パパ1号」はなんの記録にもならないことから、「パパハラスメント」を指摘する声が。「そろそろ、いい加減にしてほしい」というファンの心境は当然だろう。
大谷は4月19日に長女誕生を公表しているが、それ以降、打球を飛ばせば「パパ初安打」、空振りをすれば「パパ初三振」、走れば「パパ初盗塁」など、なぜか意味のない「パパ初」付けがメディアで横行。過度な「父親アピール」には、さすがにうんざりだ。
好感度が極めて高い大谷は、野球のみならずプライベートの報道量が桁違いに多い。父親になったということ自体は祝福されているものの、全てを「パパ文脈」で語られたら、熱烈なファンですら「パパハラ」を感じざるをえないというわけだ。
「パパハラ」は一種の社会的過熱報道に対する揶揄、反発のサインといえよう。大谷は今シーズン中の投手復帰が予定されているが、そうなれば「パパ初登板」「パパ初勝利」などといわれることになるのだろうか…。
(ケン高田)