博覧会協会の発表によると、大阪・関西万博の開幕から23日が経過した5月5日までの累計来場者数は、関係者を含めて238万5394人。一般の来場者は199万4283人とのことだ。1日あたりでは今のところ、初日4月13日の来場者数14万6426人が最多であり、GWの間ですら、この人数を抜くことは無かった。
今後、来場者数の増加が見込めそうなのは夏休みくらいだが、おそらく今年の夏も猛暑に違いなく、炎天下にわざわざ万博会場まで足を運ぶようなモノ好きは、どれくらいいるだろうか。
そもそもこの万博については、開幕前から「チケットの売れ行きがいまいち」「一部のパビリオン設営が遅れている」「メタンガスが検出された」「大屋根リングの土台部分が海水に侵食されている」などなど、数々の問題が報じられた。
ところが実際に開幕すると、箝口令でも敷かれたのかというほどテレビではネガティブな情報が聞かれなくなり、代わりに礼賛するような言葉ばかりが飛び交うようになった。
その傾向は特に、昨年の3月に開局65周年記念ドラマプレミアム「万博の太陽」を放送したテレビ朝日と朝日放送に、強く感じられるような…。
例えば「徹子の部屋」は4月24日、大阪・関西万博のEXPOホールで公開収録を行い、5月5日放送には桂文枝、5月6日放送にもコシノヒロコ×コシノジュンコ×コシノミチコのコシノ三姉妹をゲストに招いた。
文枝は今回の万博に「シニアアドバイザー」として参加しており、1970年の万博時には特別番組の司会を務めた。
コシノジュンコは今回と前回の万博のユニフォームを手掛けており、どちらも万博に所縁のある人選なのだが、高齢の黒柳徹子をわざわざ大阪まで連れ出すなど、テレ朝は相変わらず徹子に頼りすぎだ。
さらに5月5日放送の「今、行って食べたい!日本のご当地めし総選挙」なるテレ朝お得意のランキング特番では「ひつまぶし」(愛知)、「お好み焼き」(広島)「牛タン」(宮城)、「札幌味噌ラーメン」(北海道)、「博多ラーメン」(福岡)、「宇都宮餃子」(栃木)といった各地方の人気メニューを抑えて、堂々の1位に輝いたのが「たこ焼き」(大阪)だったのだ。
そもそもこの「〇〇総選挙」に関しては、かねてからランキング算出方法がはっきりしないので(まあ、この手の番組はどれも似たようなものではあるが)、いつも順位に関しては特に気に留めずに見ている。
が、今回に限っては、例えば「お好み焼き」に関しても広島風が3位で、大阪風が9位となっていて、ここであえて負けてみせることによって、「たこ焼き」1位獲得のインパクトを強めたのでは…と勘繰ってしまう。万博開催中の大阪に対する忖度が、まるでソースの匂いのようにプンプン漂って仕方なかった。
今や全国どこででも食べられる「たこ焼き」が、「うなぎ」や「江戸前鮨」を差し置いて1位になるなど、ありえない。と、あくまでも個人的な感想ではあるが…。
(堀江南/テレビソムリエ)