エンタメ

橋本八段が「NHK杯将棋トーナメント」でまさかの“二歩”反則負け!(1)珍事はなぜ起こったのか?

20150326bb1st

 3月8日、NHKEテレで放送された「第64回NHK杯テレビ将棋トーナメント 準決勝・第2局」。プロ棋士が白熱の攻防を続ける最中、まさかの「二歩」で勝負が決着する異例の事態になった。春の“珍事”が起きた現場を当事者たちが振り返る。

「最初は何が起きたのかわからなかったんです。自分の読みにない手が飛んできて、‥‥えっ、これって二歩じゃないの!? 喜んでいいのかな」

 そう複雑な心境を述懐するのは、勝利した行方尚史八段(41)である。

 一方、二歩を打って反則負けした橋本崇載八段(32)は、ツイッターでこう振り返った。

〈その瞬間に相手の行方さんが声を上げて、少しして自分も気づき頭が真っ白になりました〉

「歩」が置かれている縦の列に、持ち駒から「歩」を打つ「二歩」。プロの対局で見られたのは、実に8年ぶりのことだった。

 まずは放送された「NHK杯」を振り返ろう。

 事前のインタビューで橋本八段は、準決勝に残った4人について、

「実績はいちばん劣りますけども、私はいちばん華のある棋士なので、ぜひとも優勝して将棋界を盛り上げたいと思います!」

 と自信満々に述べた。だが、対局が始まると主導権は行方八段が握る。そして中盤になり、両者持ち時間を使いきって1分将棋に突入する。そんな中、将棋盤をジッと見つめていた橋本八段が秒読みに入り、記録係が「50秒‥‥6、7、8」と数え始める。すると、「6七歩」があるにもかかわらず、「6三歩」をパチンッと打ってしまった。

「あっ!」

 先に声を上げたのは、行方八段。その瞬間、橋本八段も異変に気づくと、2人とも思わず両手で頭を抱え、放心状態の様子がテレビに流れたのだった──。

 2011年に棋士を引退した神吉宏充氏が2人の心境についてこう語る。

「橋本君に電話したら、序盤からミスが続き、非常に局面が苦しくて、何か手を見つけようと焦ったそうです。行方君も戸惑った表情をしていたのは、将棋を作る棋士っていうのは、いい勝負を提供するのが本望。一生懸命指してきた将棋が思わぬ形で終局を迎えてショックだったのでしょう」

 行方八段もこう話す。

「徐々にペースは握っていましたが、まだ勝ちを確信できるほどではなかった。これで決勝進出していいのかと、無意識に頭を抱えてしまったんです」

 収録は2月9日に行われた。「禁じ手」決着だったが、対局は成立していたので放送されたという。

カテゴリー: エンタメ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「メジャーでは通用しない」藤浪晋太郎に日本ハム・新庄剛志監督「獲得に虎視眈々」
2
不調の阪神タイガースにのしかかる「4人のFA選手」移籍流出問題!大山悠輔が「関西の水が合わない」
3
2軍暮らしに急展開!楽天・田中将大⇔中日・ビシエド「電撃トレード再燃」の舞台裏
4
新庄監督の「狙い」はココに!1軍昇格の日本ハム・清宮幸太郎は「巨人・オコエ瑠偉」になれるか
5
ボクシング・フェザー級「井上尚弥2世」体重超過の大失態に「ライセンスを停止せよ」