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東南アジアで「月5万円生活」SNS自慢の「偽バックパッカー」インチキ舞台裏

 近頃、SNSやYouTubeでやたらと「バックパッカー」を見かけるようになった。彼らは東南アジアの安宿に泊まり、屋台飯を食べながら「月5万円で暮らせる」などと謳う。20年前の物価ならともかく、今の時代にそんな旅が現実的なのだろうか。実は今、SNS発の「ファッション・バックパッカー」が急増しているのだ。

「安宿に泊まり、屋台飯をすすり、路地裏を歩く。そんなリアルな旅は、ほとんどが演出ですよ」

 こう語るのは、かつて旅系インフルエンサーとして活動していた女性だ。彼女も一時期は「バックパッカー風ライフスタイル」を発信し、人気を集めていた。

「撮影のためだけに安宿に入って、数分程度の映像を撮ってから、すぐに出る。屋台も雰囲気だけで、実際には食べずに写真を撮って終わり。その後はタクシーで高級ホテルに戻る。そんなパターンは珍しくありません。旅というより、もはや『素材集め』ですね」

 ある女性YouTuberは当初、貧乏旅を実際にしていたというが、

「タイで1泊1500円の安宿に泊まりましたが、虫が多くて風呂場は不衛生。何日も泊まるのは無理だと思いました。屋台飯を食べるとお腹を壊してしまいましたね。それ以降は屋台では撮影だけして、レストランで食べ直したことがあります」

 ではなぜ、そこまでして「貧乏旅を装う」のか。背景には視聴者の「共感と憧れ」があった。女性YouTuberが続けて内情を明かす。

「現実は円安や物価高で、旅行すら難しい。そんな中で『月5万円で自由に暮らす旅人』は、視聴者にとっての理想型なんです。高級ホテルよりも『頑張ってるふう』の方が応援してもらえる。数年前のキラキラ系のインスタ映えに代わって、今は『節約・質素系旅』が映える時代になってきているんです」

 1泊数百円の宿や100円のローカル飯、言葉が通じずに困る様子などは、視聴者に「自分にもできそうだ」と思わせられるという。「本物らしさ」の演出が過熱する一方で、本当の旅の意味は薄れつつあるのかもしれない。

(旅羽翼)

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