サントリー角ハイボールがとんだ災難に見舞われている。2019年のピエール瀧に続き、今度は永野芽郁との不倫スキャンダルに揺れる田中圭が降板する異例の事態になったのだ。
主要キャストが不祥事で立て続けに姿を消すこのCMは、女性店主のバーを舞台に男性客たちが角ハイボールを楽しむ設定で、2007年から続く人気シリーズ。初代マドンナの小雪、2代目の菅野美穂を経て、2014年から井川遥が3代目を務めている。
まさにその2014年、「いらっしゃいませ」編から新メンバーとして加わったのが加瀬亮、田中圭、そしてピエール瀧だった。4人の絶妙な掛け合いは視聴者を魅了し、ウイスキー市場復活の立役者となった。
だが2019年3月、ピエールがコカイン使用容疑で逮捕。約5年間続いたシリーズは、突然の終焉を迎えた。CM界に衝撃が走る中、サントリーは井川、加瀬、田中の3人体制で再スタートを切った。
ところが今度は田中が永野との不倫スキャンダルで批判の的に。サントリーは「ブランド本来の価値を伝えることが難しい」としてCMを中止。公式サイトから動画が削除された。
田中はこのCMで「金融系サラリーマン」という設定。仕事帰りにバーに立ち寄る常連客を演じていた。制作陣によれば、田中の立ち位置として、
「服装や話し方で何気なく人物像を描写して、井川さんとの微妙な関係を匂わせたり」
という繊細な演出を施していたという。今となっては皮肉なものだ。
2014年の出演開始時、田中はこう言っていた。
「角ハイボールが大好きで、実際に家でもよく飲んでいます。歴史あるCMに出演できて光栄です」
過去にはSMAP解散後の草彅剛や香取慎吾を起用するなど、社会的な時勢に流されないCM起用を続けてきたサントリーだが、さすがに世間からのアレルギーに抗えなかったようだ。
新たなキャスティングで再出発を図らなければならない角瓶CM。今度こそジンクスを断ち切れるのか。3度目の挑戦の行方に、業界の視線が集まっている。
(茂木重)