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記事全文を読む→「たけし金言集」“スマホ&ラインデビュー”で大はしゃぎ
2月の頭、番組収録のため楽屋に入られた殿は、イスに座ると、付き人が入れたお茶を飲むより早く、
「おい、俺だってもうスマートフォン使えるんだぞ」
と、わたくしに告げ、カバンから誇らしげに“少し大きめの端末”を取り出すと、まるで黄門様が印籠を見せつけるかのごとく、実に堂々と、ピカピカのスマートフォンをこちらに見せつけてこられたのです。〈えっ、殿。いつの間にスマホデビュー!?〉と、驚いているわたくしの気持ちなどおかまいなしに、
「ラインもやってんだぞ。ほら、このスタンプ面白いだろ?」
と、続けてラインデビューまで果たしていた衝撃事実をさらりと告げると、ダウンロードしたばかりだと思われる、その“面白スタンプ”を大変無邪気に提示されてきたのです。
この、殿の予期せぬスマホ&ラインデビューに、かなり面食らい、ひと通り驚いたわたくしでしたが、「面白いだろ?」と提示されたスタンプを目にした時はさすがに、〈いやいや、そんなスタンプより殿のほうが何千倍も面白いことを山ほど提示してきたじゃないですか。おかしなこと言わないでください〉と、弟子の身で大変生意気ではありますが、殿の“スタンプを面白がる感覚”に対し、少しばかり“解せない思い”が胸を駆け巡ったのでした。
わたくしの勝手な解せない思いはさておき、殿のスマホデビューです。
その日の殿は、終始スマホを手放すことなく、常に何やらいじくり、時折思いついたように、楽屋にある弁当の写真を撮ってはラインで友人に送信。楽屋のドアに貼ってある「ビートたけし様」といった張り紙を写真に撮っては、やはりラインで送信。そんな感じで、10年程前の、携帯にカメラが付き始めた頃の女子高生のごとく、とにかくピカピカのスマホで写真をパシャリとやっては、せっせとラインにて送信を繰り返していました。
確か殿は以前、携帯電話やスマホについて、
「家賃とか食費とか、生きていく上で必要なものに金を払うのは仕方ない気がするけど、携帯とかインターネットなんかに、当然のように毎月2万も3万も払うのって、なんかちょっと変だよな」
と言っていたような気が‥‥。
まーそんなつまらない揚げ足取りはさておき、育ちの悪いわたくしなどはつい、〈殿がスマホを使いこなしているなんて広まったら、こりゃすぐにその筋からCM来るな。そしてどえらいギャラが入ったりするんだろうな〉と、下衆な勘ぐりを、1人勝手に働かせてしまうのでした。
しかし、その昔、弟子の浅草キッドさんに、
「インターネット買って来い!」
と告げ、「殿、インターネットはビル・ゲイツでも買えません!」とツッコまれていた殿が、68歳にしてスマホを使いこなしてラインまでやるようになるとは‥‥。いい意味で、わからないものです。
◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!
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