あと1場所が遠い…。
大相撲五月場所を3勝4敗と負け越した幕下の炎鵬。悲願の関取復帰に向けてまた一歩、後退してしまった。
今場所を幕下十枚目でスタートすると、2日目に濱豊、4日目に幕内経験者の千代丸に白星連取。ところが6日目の西ノ龍、8日目は朝白龍、10日目に延原、12日目にも伊波と、4連敗を喫してしまった。スポーツ紙デスクが解説する。
「臨機応変に手数を繰り出して、自分より体の大きな相手を土俵外に押し出す姿はさすがです。負けこそしましたが、12日目の伊波戦は見どころ満載。立ち合いから一瞬の間を作り、土俵際に押し込むと、後褌を掴みながら左脚を取りにいきます。そのまま相手のバランスを奪いながら4回転するも、反対に小手投げの形で投げられてしまいました。空席が目立つ幕下の相撲なのに、場内には大歓声が飛び交いましたね」
2023年5月場所10日目から、頚部椎間板ヘルニアの治療で休場。当時、十両三枚目だった番付は、復帰した2024年七月場所には序ノ口十三枚目まで下がってしまった。しかしそこから少しずつ、番付を戻している。どうも「引退後のセカンドキャリア」がチラついているようだ。
「2023年に休場した首のケガは、ドクターストップがかかるほどの重症でした。それも次に大きな負荷を与えたら、日常生活に支障をきたすレベル。それでも懸命にリハビリ生活を過ごして体を復活させました。全ては引退後に相撲協会に残るためだといいます。『関取通算30場所以上』という、年寄になるための最低条件があります。炎鵬は現在、29場所。不幸なことに、2020年五月場所がコロナ禍の影響で中止になった1場所はカウントされていません。そのため、なんとか年寄の資格を得るためにもう1場所、十両に返り咲く必要があるのです」(前出・スポーツ紙デスク)
年寄になるために必要な「親方株」の取得も必要だが、
「宮城野親方(元横綱・白鵬)の去就次第でしょう。本人は取材に対して否定していますが、親しい関係者には七月場所までに相撲協会を退職する意思を伝えているといわれています。炎鵬は宮城野親方の内弟子。そのまま『宮城野』という親方株を継承すれば、しっくりくるのですが…」(前出・スポーツ紙デスク)
人気小兵力士の復活ロードは、もうひと波乱ありそうだ。