横綱・大の里の誕生で相撲界は大盛り上がりだが、もうひとりの横綱・豊昇龍はというと、「日本国籍の取得に動いている」との情報が流れている。スポーツ紙デスクが言う。
「6月にモンゴルに帰国して手続きを進める、と報じられました。引退後も親方として相撲協会に残りたい意向があるようです。この夏場所に金星を2つも配給。新横綱だった先場所と合わせて、すでに5個になります。いささか情けないだけに。このままの状態が続くと、休場回数が増えていくかもしれない。そうなれば、横綱審議委員会からは厳しい指摘が出るでしょう。場合によっては引退勧告、ということもありうる。だから早めに先手を打った、というふうに、角界内では捉えられています」
親方になるには「日本国籍を保有していること」という条件をクリアする必要がある。外国出身の歴代横綱では、曙、武蔵川親方(武蔵丸)、宮城野親方(白鵬)、音羽山親方(鶴竜)、照ノ富士親方が相撲協会に残るために、日本国籍を取得した。
年寄名跡については引退後5年間、四股名のまま親方になれる「横綱特権」がある。その間に正式な年寄名跡を調達しなくてはならないが、横綱は給料だけで年収3600万円が保証されている。
伝達式の口上で表明したように、「唯一無二の横綱」を目指す大の里と、対照的に早くも引退後を見据える豊昇龍。それぞれのモチベーションは異なるが、次の場所からどんな横綱像を見せてくれるのか。