6月11日の西武戦で18号を叩き込み、本塁打キング独走の阪神・佐藤輝明が、ヤクルト・村上宗隆以来の三冠王獲得に向けて驀進している。
阪神では1986年のバース以来、39年ぶりとなる本塁打王どころか、打点も両リーグ単独トップ。打率は広島のファビアン、巨人・泉口友汰を射程に捉えていている。
昨年までのくすぶった打撃はなぜ、こうも一変したのか。
「バットの軌道がいいため、タイミングを外され、体勢を崩されてもミートすることが可能で、いい角度で打球が上がるようになっている。5月25日に三塁から外野にコンバートされたことで、より打撃に集中できています。クリーンナップを組む森下翔太も揃って調子がいいため、相手のマークが分散していることも、佐藤に追い風となっている」(スポーツ紙デスク)
仮に三冠王となっても、それは佐藤にとって通過点にすぎない。なにしろ。メジャーリーグへの憧れを公言し、球団にはすでに将来的な挑戦の意思を伝えているからだ。
「オフには本場アメリカ・シアトルで動作解析を行い、下半身が先動して上半身を動かす理想のフォームを手に入れました。それがバットの軌道の良さにつながっています。大谷翔平の同僚、ドジャースのフレディ・フリーマンやフィリーズのブライス・ハーパーのスイングを参考にしており、その効果が今年、出ていますね」(スポーツライター)
2年ぶりのリーグ優勝と日本一へ向けて首位を走る阪神を支えるのは、佐藤の野望なのであった。
(佐藤実)