事件
Posted on 2025年06月22日 17:53

アサ芸記者を名指しした犯人と対峙してみた!警察官を装う「“特殊詐欺”最新ダマしの手口」にご用心

2025年06月22日 17:53

 24年の特殊詐欺被害額は約720億円と過去最悪の数字を叩き出している。そんなある日、本誌記者のもとにも、1本の電話がかかってきた‥‥。

 登録がない「080」から始まる携帯番号から電話がかかってきたのは、出勤準備をしていた午前8時過ぎのことだった。

 出てみると、相手は開口一番「●●さんのお電話で間違いないですか」と、記者の実名を言い当てる。認めると、次に早口でこんな内容のセリフを放った。

「私は福岡県警の▲▲と言います。徳島県での事件に関して、警視庁と合同捜査をしています。●●さんに容疑がかかっていて、身分証を持って徳島県警まで出頭してもらいたい」

 もちろん、まったく身に覚えのない話だった。詳細な説明を求めると、相手は、

「わかりました。ご説明しますので、ここからの会話は録音させてもらいます」

 記者もそれに応じて、

「では、こちらも録音させていただきますね」

 と返すと、次の瞬間、相手は通話を切ったのだ。

 どう考えても特殊詐欺の類いだろう。ただ、この流れでどうやって記者から金を巻き上げるつもりだったのか、見当がつかない。詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト・多田文明氏に話を聞いてみると‥‥。

「実は去年頃から、警察を名乗る特殊詐欺が猛威を振るっています。この件は、録音されると詐欺の証拠が残るので、『コイツはダメだ』と諦めたのでしょう。こうした特殊詐欺の犯人は自分の言うとおりになる人を狙いますから」

 すんでのところで特殊詐欺被害から逃れられたようだ。では、記者が唯々諾々と従っていたとしたら、どのような展開が待っていたのだろうか。

「何か理由をつけて『LINEで話そう』と言われたはずです。ビデオ通話にして、制服姿や警察手帳を見せられたでしょう。名前と電話番号が一致し、そうした姿を見せられたら信じてしまう人は一定数いますから。そして、マネーロンダリング容疑での逮捕状を見せてきたと思います」(前出・多田氏)

 警察官のコスプレや逮捕状もどきの作成など、かなりの準備をして電話をかけてくるのが今どきの特殊詐欺だというのだ。マネロン容疑にしても、「知らぬ間に巻き込まれた」というテイにして、被害者の不安をあおっているのだ。

「最終的には『保釈保証金にいくら必要だ。無実ならば戻ってくるから』という要求があったはずです。『守秘義務があるから誰にも言うな』とも。あるいは口座情報を聞いてきたりしていたかもしれません」(前出・多田氏)

 警察がLINEなどに誘導して捜査をすることは絶対にない、と広報されているものの、いざ我が身に降りかかったら、震え上がって言われるがままになることも少なくないという。多田氏も、「ネット通販で物を買ったり、何かに会員登録したりする機会が多い現在、個人情報は漏れているものと覚悟したほうがいい」と語るとおり、自衛の必要性を強く感じざるをえない体験となったのだ。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク