芸能
Posted on 2025年07月29日 06:00

石田えり「製作費3000万は自腹で」/テリー伊藤対談(2)

2025年07月29日 06:00

テリー さっきからずっと「福田和子さん」って言ってますよね。どこか彼女にシンパシーを感じるんですか。

石田 やっぱり感じる部分はありますね。普段はおとなしい人でも目の前にすごく腹の立つ人がいて、ここ(心)に攻撃性みたいなものがあれば、人間って突発的にやっちゃうかもしれない。そういう意味でも犯罪者というより、一人の人間として福田和子さんを描きたかったっていうのはありますね。

テリー 石田さんは役者ですよね。制作側に回りたいみたいな思いは前からあったんですか。

石田 昔はなかったんですけど、創るのが好きで。舞台は3本、短編映画も1本撮ってますね。

テリー この映画、ずっと「福田和子目線」で進むじゃないですか。一人称視点というか。こういう撮り方を選んだのは何だったんですか。

石田 福田和子さん本人を描いた映画とかドラマは今までにもありますから、同じことをやってもしょうがないですし、いろいろイメージした時に本人の顔があまり浮かんでこなかったんですよ。彼女が見た人たちの顔のイメージは浮かんできたんですけど。それで、「そうか、彼女が見た人を追っていったほうがおもしろいな」って。

テリー なるほど。観させてもらって、僕はこの撮り方はすごくよかったと思うんですよ。というのも、誰かが演じると、「この人、福田和子に似てるな」とか、「ちょっと違うな」って、余計な雑念を持って観ちゃうじゃないですか。だから、「石田えり監督、すごいじゃん」って。

石田 ほんとですか。うれしい。最初はみんなに「失敗するからやめたほうがいい」って言われたんですよ。「そんな1時間以上も。観る側の身にもなってよ」って。

テリー あ、そう。僕は全然気にならなかったけど。

石田 自分でもそれ以外は考えてなかったので。そう言われたからってやめようとは思わなかったんですけど。

テリー いや、ほんとに正解だったと思いますよ。これね、我々のような福田和子を知ってる世代はもちろん、若い人にも観てほしいね。TikTokなんかで育ってる世代とかね。

石田 そうなんですよ。私もそう思います。うれしいです。

テリー これ、カメラ何台で撮ったの?

石田 もちろん1台です。ソニーの一眼レフ。ヘルメットにカメラを付けて、自分で自転車をこいで撮ったりもしたんですよ。

テリー へぇ、おもしろい。だから、そういうカジュアルな感じもよく出てますよね。リアル感というか。これ海外の映画祭には出品しないんですか。

石田 それが1年間かけていろいろやったんですけど全滅しました。

テリー あ、そうなんだ。これは編集も石田さんが全部やってるんですよね?

石田 はい。台本の段階ではもっと長かったんですけど、とにかくずっと逃げてるから場所も人も多くて、「予算と時間がかかるから切ってくれ」って言われて半分くらいにして。全部で69分になりました。

テリー ちなみに制作費は?

石田 だいたい3000万円です。

テリー それは誰が出したんですか。

石田 私が自腹で。

テリー ええっ、石田さんが全部出したの!?

石田 はい。誰も出してくれなくて、「自分でやらないとダメだ」っていう状況に追い込まれて。

テリー それはすごい。ほんとに映画少女だね。いつ頃から撮り始めたの?

石田 クランクインが2年前の5月で、完成するまでに1年間。その後1年間かけて映画祭に応募してました。

ゲスト:石田えり(いしだ・えり)1960年、熊本県生まれ。中学3年の時に熊本でスカウトされ、「チャーリー石黒音楽専門教室」で歌を習う。その後、1978年「翼は心につけて」で映画デビュー。1981年の映画「遠雷」では日本アカデミー賞優秀主演女優賞や新人女優賞に輝いた。その他の主な出演にドラマ「ウルトラマン80」「金曜日の妻たちへ」、映画「ちょうちん」「嵐が丘」「華の乱」「ダウンタウンヒーローズ」など。映画「釣りバカ日誌」では1987年〜1994年まで主人公・浜崎伝助(西田敏行)の妻役を演じた。2021年に「G.I.ジョー・漆黒のスネークアイズ」で、ハリウッドデビュー。7月26日から監督・脚本・主演を務めた映画「私の見た世界」が「シアター・イメージフォーラム」(渋谷)などで全国順次公開される。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年10月24日 11:15

    毎月、設定した通りに投資信託が買われていく。新NISAで積み立て始めて数年、残高が増えるたびに老後の不安が少し遠のく気がする。証券会社に勧められて、パスキーも設定した。ただ、値下がりは想定していても、自分の意思と無関係に保有資産を売買される...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    芸能
    2026年10月24日 10:30

    イギリスのロンドンから帰国すると、大物俳優の自分がすっかり忘れ去られた存在になっていた――。「俺のこと、なんか言ってた?」は役所広司を主演に据えた、Netflixのオリジナルシリーズ。大物俳優が再び表舞台でスポットライトを浴びようと這い上が...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    芸能
    2026年10月24日 12:45

    またしても、玉川徹氏がやらかしてしまった。「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で「秋の抜け毛」を取り上げたパネルコーナーでのことだ。医学を信頼する立場だというコメンテーターの玉川氏は「薄毛に悩む男性は病院へ行くべき」との持論を展開し...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/10/27発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク