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記事全文を読む→命の危険が迫る!その時、獣医は…「犬が猫に緊急輸血」して奇跡の生還というウソのような本当の話
猫の血液型はAとBとABの3種類で、О型は存在しないという。日本国内で飼われている猫の多くはA型で、B型は少数派。稀にAB型が存在するものの、人間と違って動物には血液ドナーバンクがないため、緊急で輸血が必要な場合、血液の確保が大きな課題となる。
通常、猫に輸血が行われるのは、交通事故などによる臓器破裂、または骨髄腫瘍からくる大量出血のケース。重度の貧血や血小板減少症、血友病などの血液凝固障害があるなど、輸血以外に有効な治療法がないと判断された時である。
ただ、輸血はある意味、生体移植と同様なので、人間のように副作用が発生することが多い。例えばB型の猫にA型の血液を輸血すると強烈な拒絶反応を起こし、命を落とすことが少なくないのだ。
かつてニュージーランドで、瀕死状態の猫がなんと、犬からの輸血で一命をとりとめたことがある。そのニュースを知った国内外の動物医療関係者は、大いに驚いた。
この猫は、ニュージーランド北島のタウランガという町で飼われていたローリー。飼い主はある日、ぐったりして動かないローリーを発見、慌てて地元の動物病院に駆け込んだ。
ローリーは誤って殺鼠剤を食べたようで、衰弱しており、まさに一刻を争う状態だった。獣医はすぐに緊急輸血が必要と判断したが、ローリーの血液型判定を研究所などに依頼する時間的余裕はない。
ただ、先に触れたように、異なる血液型を輸血した場合、そのリスクは計り知れない。そのため輸血の際には必ずクロスマッチテスト(交差適合試験)が実施され、拒否反応が起こらないことの確認が必要になるわけだ。
ところがあろうことか、この獣医、犬の血を輸血することでローリーを救おうと考えた。実は犬から猫への輸血は過去に例があり、2020年には「犬から猫への異種間輸血:49例の調査結果」という論文が発表されている。
犬の血液型はDEA(犬赤血球抗原)式に基き、DEA1.1、DEA1.2、DEA3からDEA13まで13種類以上にも及び、たいへん複雑なため、犬同士でも完全に一致することはごくごく稀だ。激しい拒否反応により、コトによっては重篤な状態に陥る危険性を孕む。
だが、奇跡は起こった。獣医の知人が飼っている犬、ブラックラブラドールのメーシーからの輸血を受けたローリーは何の副作用もなく、一命をとりとめたのである。
このニュースはたちまち、ニュージーランドを駆けめぐった。無事に生還したローリーを自宅に迎えた飼い主は、地元紙「ニュージーランド・ヘラルド」の取材に対し、次のようにコメント。
「輸血が成功するなんて夢のようです。ローリーはもう元気になりました。でもワンワン吠えたり、口に新聞をくわえて持って来たりはしないわね」
まさに獣医のイチかバチかの判断が生んだ、ウソのような驚きの出来事だったのである。
(灯倫太郎)
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