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ウイスキー蒸留所の「巡回警備員」として働く「茶トラ猫4匹」奇跡の雇用秘話

 米ケンタッキー州でバーボンウイスキーを製造する「ジェプサ・クリード蒸留所」に突然、4匹の小さな茶トラ猫が現れた。共同経営者のオータム・ネザリー氏が、敷地内に置かれた干し草の束を拾い上げようとした時、その束の中に隠れていた子猫たちを発見したという。2017年の、とある日のことだ。

 子猫たちは目を見開いたばかりという、生後間もない様子だったが、近くに母猫の姿は見えず。蒸留所のスタッフが総出で探すものの、母猫を見つけることはできなかった。

 蒸留所では昔からネズミなどの害獣対策として、猫を飼う習慣があった。だがこの蒸留所ではまだ飼っていなかったこともあり、スタッフはこの4匹を「神様が与えてくれた贈り物」として迎えることを、満場一致で決定。

 とはいえ、まだ生まれたばかりで母乳が必要なため、スタッフ全員が24時間交代でミルクを与えることに。

 それから8年が経過。蒸留所で扱う原料にちなんで「モルト」「ウィート」「バーリー」「ライ」と名前がつけられた子猫たちは、やがて成猫へと成長した。

 8歳となった4匹は現在、蒸留所内に設けられた専用スペースで生活しながら、日中は蒸留所ツアー客らの接待係として稼働し、夜になると蒸留所内を巡回。ネズミなどの小動物侵入を防ぐ「警備」を担当しながら、「ウイスキーキャット」として大活躍しているという。

 実は「ウイスキーキャット」の中には、ギネス記録を持つ猫が存在する。それが1775年に設立されたスコットランドのグレンタレット蒸留所で、なんと2万8899匹ものネズミを捕獲したツワモノだ。

「世界で最も有名なウイスキーキャット」と称される、タウザーという猫。しかもこの数字は、タウザーがスタッフに見せた「獲物」の総数であり、実際にはもっと多くのネズミを狩っていた可能性がある。

 タウザーが亡くなった1987年には、イギリスじゅうのメディアが追悼報道したことが、今も伝説として語り継がれている。

 さて、現在も看板猫として、また蒸留所を守る巡回警備員として大活躍中の4匹。その姿を見ようと、クリード蒸留所には連日、足を運ぶ見物客があとを絶たない。

(灯倫太郎)

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