社会
Posted on 2025年09月20日 18:00

悪名高き害獣たちを大変おいしゅういただきました(1)クマの被害が全国で絶えない

2025年09月20日 18:00

 日本全国でクマの出没が、連日のように報じられている。猛暑による不作も一因なのか、住宅街に現れることもしばしばだ。農作物や家畜、さらには人的被害も出ているのだから事態は深刻。一方で、実は獰猛な獣の肉を食してみたら、思わず料理記者・岸朝子の口調になるほど美味なのであった‥‥。

 今年4月から8月末までに、全国で69人もがクマの被害にあい、うち5人が死亡している。

 クマの被害があった自治体に実情を聞いてみたところ、

「この夏、確かに目撃情報の通報は増えていました。複数の要因があると思いますので、現在、情報を収集しているところです。人がクマの生息圏に入る機会が増える8月22日〜10月31日を『秋のヒグマ注意特別期間』として、『必ず複数で行動する』『音が出るものを持ち歩く』『ゴミはきちんと持ち帰る』などの啓発をしています」(北海道庁環境生活部ヒグマ対策室)

「目撃件数、被害件数については、実は例年より特に多いというわけではありません。一方で今年は山の木の実などの生育が悪く、まだ増えていくかもしれませんので注意が必要です」(富山市役所森林政策課)

 報道が過熱する一方で、クマの数が特別増えたわけではないようだが、現在は過去最多の人身被害があった23年度の同時期とほぼ同水準で、死亡者は3人増。だから、各自治体も警戒を強めているのだ。

 ところで、「害獣」は、クマだけではない。農林水産省によると、被害額はシカによるものが最多で、次いでイノシシ、サル、クマと続く。23年度には総額164億円にも上った。

 伊豆大島と千葉県の房総半島には、シカの一種であるキョンが生息。いずれも観光施設から逃げ出して野生化、増殖したもので、農作物への被害が問題になった。9月8日には東京都環境局が伊豆大島の住民を対象とした「キョン捕獲報奨金制度」を開始。1個体回収につき8000円が支給されるという。

 都が過敏になるのは、都市部でも害獣の被害が増えているからだ。全国で害獣・害虫の駆除を行っている企業「駆除ザウルス」の内田翔氏が解説する。

「ハクビシン、アライグマ、ネズミ、関西でしたらイタチなどが、建物に住みつく害獣です。特にハクビシンは都内23区のどこにでもいますよ。アライグマは神奈川県に多いですが、今は多摩川を越えて狛江市にも出没しています。屋根裏に住みついて糞尿をまき散らすほか、屋根裏を走り回る騒音被害、ダニやノミを持ち込む媒介ともなっており、健康被害もあります。ハクビシンは秋が出産の季節で、出産場所としてやはり屋根裏に住みつくこともありますので、これから被害が増えていく可能性があります」

 ちなみに、同社が処分したものが食肉として流通することはないそうだ。

 東京・人形町と浅草でジビエ料理を提供している「あまからくまから」の経営者・林育夫氏も言う。

「飲食店は、専門の処理施設を通ったものしか使えないのです。例えば、猟師さんから『捌いたからあげる』と言われても、それを店で提供することはできません。なかなか一般の流通ルートに乗らないのは‥‥そういった肉の販売を禁止している県もありますが、それ以上に、お金になるとなれば、乱獲される恐れも出てくるのではないでしょうか。捕ってお金に換えることを許さないという風潮は昔からありますからね」

 害獣といえど、尊い命ある生き物。食べるのであれば、金儲けに走って食肉にしてはならないのだ。

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