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記事全文を読む→漫画家・弘兼憲史の男子厨房に入るべし!〈カレーライス〉スーパー安値の市販ルーで十分 隠し味にインスタントコーヒー
これまでの人生で衝撃を受けた食べ物があります。それは大学時代に学生寮で食べたカレーライスです。理由はズバリ、とんでもなくマズかったからです(笑)。
カレーライスは、たいていどの店で食べてもハズレはないものです。ところが、この寮母さんが作るカレーは、この世のものとは思えないぐらい本当にマズかった。
その訳は、小麦粉の代わりに「米ぬか」を使っていたからです。煎った米ぬかにカレー粉や水を入れて作るため、出来上がったルーからは何とも言えない強烈な匂いが漂ってくるのです。
「今日の夕飯はカレーだ」と聞かされた時の、あの寮の学生たちのどんよりした表情は今も忘れられません。
ただし、これには理由がありました。まだ小麦粉が高価だった時代で、米ぬかで代用していたのです。当時、大学生の仕送りはひと月1万円から2万円程度。ここの寮は、朝晩2食付き、水道光熱費込みで6500円でした。今にして思えば、寮母さんは相当やりくりに苦労されていたのでしょう。学生からしても毎朝晩の食事は本当にありがたかったので、どんなに「マズいカレー」でもみんなが我慢して食べていたというわけです。
そんな苦〜い思い出はありますが、カレーは大好きなメニューのひとつです。名店と呼ばれるお店に足を運ぶこともありますが、「カレーハウスCoCo壱番屋」のようなチェーン店も大好き。
特にオススメしたいのが、上野や銀座に店舗がある人気カレー店「デリー」の「カシミールカレー」です。黒っぽくて、サラサラで、とにかく辛いのが特徴です。しかし、その辛さの奥から玉ねぎの甘み、スパイスの香りが次々に押し寄せてくる。気がつけばスプーンが止まらず、汗をかきながらも「もう一口」と手が伸びてしまうほどの味わいです。
カレーは仕事場で賄いメシとしても作ります。この場合は、特にルーにこだわりはありません。スーパーへ行き、その時に安いものを買うことが多いです。辛いものが苦手なアシスタントもいますので、中辛を選びます。ただし、カレールーにひと手間加えるのが「弘兼流カレーライス」です。例えば、ルーにインスタントコーヒーを少し入れるとコクが出ます。水の代わりにトマトジュースやココナッツミルクなどを入れるとまろやかな味になります。辛味が足りなければ、唐辛子などで自分好みに調整して食べます。
「スープカレー」だって意外に手軽にできますよ。私は、札幌で人気のスープカレー専門店「札幌らっきょ」監修の「スープカリーの匠」を使っています。作り方は簡単で、私の場合はまず鍋に手羽元とにんにくを入れ、しばらく煮込んだところで、このスープカレーの素を入れます。スープカレーは野菜を油で揚げなきゃいけないから家で作るのは面倒なイメージがありますが、野菜はカボチャやナスなどフライパンで少し多めの油で炒めるだけOKです。
カレーの付け合わせには、福神漬けが一般的ですが、少し甘さがあるので、私はらっきょう派です。あと、ざく切りにした紫玉ねぎの酢漬けもイケますよ。ぜひ試してみてください。
弘兼憲史(ひろかね・けんし)1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)に勤務後、74年漫画家デビュー。以来『課長 島耕作』『黄昏流星群』などヒット作を次々生み出している。07年には紫綬褒章を受章。
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