政治
Posted on 2025年11月04日 11:45

支持率なんと82%の高市政権は「次々と新たな問題で悩まされる」自民党長老が電撃解散をたしなめる「2つの弱点」

2025年11月04日 11:45

 発足したばかりの高市内閣の支持率が、各メディアの世論調査で軒並み高支持率を獲得している。中でもTBS系のJNN調査では、なんと82%(11月1日~2日調査)という異例の数値。これは2001年以降の政権では、小泉純一郎内閣に次ぐ高さだ。このため永田町では自民党関係者から、
「ここで一気に解散して、少数与党を脱却する最大のチャンス」
 という声が急増している。

 政治アナリストが指摘する。
「高市政権のJNN支持率は、石破内閣の9月支持率より実に38.3%アップというすさまじさ。11月1日の記者会見で記者団から『解散の考え』を問われた高市早苗首相は『解散は全く考えていない。今は政策を前に進めるだけ』と即座に否定。だがこれは歴代総理の誰もが答える、お決まりフレーズです。おそらく連休の11月2日と3日、解散がプラスかマイナスか熟考していたことでしょう。逆に言えば『サナエブーム』が熱いうちの電撃解散もあるということになります」

 これから臨時国会、通常国会と先に進むにつれ、次々と問題が発生する。例えば物価対策の一環として、ガソリン暫定税の年内廃止が決まった。これに伴い、ガソリンは来年、15円ほど安くなる見通しだが、ガソリン税廃止で穴が空いた1兆5000億円の財源手当ての見通しは立ってない。見通しが曖昧なままでは今後、地方道路や橋の補修などの財源が不透明になる。

 連立を組む日本維新の会の藤田文武共同代表をめぐっては、「しんぶん赤旗」がスキャンダルを報じ、自維連立を揺さぶっている。
 藤田氏の公設秘書が代表となっている会社に約2000万円の公金を支出し、その会社が公設秘書に報酬を支払っていた疑惑だ。藤田氏は「正当な取り引きだ」と反論しているが、国会で大きな論争になり、自維連立に影を落としそうな気配だ。

 前出の政治アナリストが分析する。
「かくして今後、高市政権は月日が経つにつれて次々と、新たな問題で悩まされることは必至。それに伴って、支持率が82%キープすることはありえません。ならばと、今の高支持率のうちに解散総選挙に踏み切って、単独過半数をとれるよう…との誘惑にかられます。解散の最大のタイミングは臨時国会閉会時か、来年の通常国会冒頭かもしれません」

 ただし、自民党長老はこう指摘するのだった。
「今の高支持率が即、解散すれば議席数に反映されると考えるのは甘い。解散が厳しいという理由は2つある。まずひとつは、勝てると思い、撃沈した昨年の石破解散を思い出せば明らかだ」

 2024年10月27の総選挙で、自民党は想定を超える「裏金批判」で大苦戦。解散前のから56議席も減らす大敗で、自公はついに過半数割れの少数与党に沈んだ。自民党長老が続ける。
「それだけ負けた当時の石破政権の支持率は、JNNで51.6%。勝っても不思議はない数値だった。それでも『裏金』でボロ負けした。しかもその時のJNNの自民党支持率は33.9%あった。ところが今回、82%の高市政権の自民党支持率は、石破政権が大敗した時よりさらに低い28.9%。これで解散したら、自民はまた大敗の二の舞を演じる可能性がある」
 内閣支持率はすこぶる高いのに、自民党支持率は低空飛行という、ちぐはぐな状況なのである。

 さらにこの自民党長老は、すぐの解散が厳しいふたつめの理由に、公明党の「友達票」を挙げるのだ。すなわち公明党との連立時は選挙において、公明党から自民候補に「友達票」として1万から3万の票が流れた。それが公明党の連立離脱により、この票が消える。そのため、野党と接戦の末に勝っていた自民党議員は、オセロゲームのように負ける可能性が高くなる。その自民党議員数は40人から50人にのぼるというのだ。
「高市がその2つの弱点を読めないはずがない。だからここはしばらく解散を打たず、じっくりと構え大きな成果が出た、ここぞというタイミングで解散といきたい」
 さて、高市首相はどう出るか。

(田村建光)

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