社会
Posted on 2025年11月19日 07:45

北海道猟友会会長が「ヒグマ駆除には協力できない」と断言した「死者の4割はハンター」戦慄データと「無残な遺体」現場

2025年11月19日 07:45

 日本列島にはヒグマ(北海道)とツキノワグマ(本州以南)が生息しているが、ヒグマはツキノワグマに比べて大型で力が強く、かつ獰猛で攻撃的なクマとして知られている。「人を一撃で倒す」と言われるヒグマの異常出没や人身被害が北海道内で相次ぐ中、11月17日に道庁で開かれた「ヒグマ対策推進会議」では、北海道猟友会の堀江篤会長が次のようにホンネを吐露し、複雑な胸の内を明かした。
「クマの駆除から猟友会を外してほしい。ひとりも会員を亡くしたくない」

 この日の会議では、政府が取りまとめた「クマ被害対策パッケージ」を念頭に、警察や自衛隊や市町村が駆除を担う新たな体制作りについて話し合われていた。そんな中で飛び出した猟友会トップの電撃発言。堀江会長は新たな体制が整うまではこれまで通りの協力を惜しまないものの、以後については要するに「駆除には協力できない」「会員を死なせたくない」とクギを刺したのである。

 背景には駆除の現場でハンターが背負うことになる「命のリスク」がある。北海道の調査によれば、1962年から2024年3月末までにヒグマに襲われて死傷したのは177人。このうち狩猟や駆除の際にヒグマに反撃されたケースは66人と最多を数え、ハンターの犠牲は実に死傷者全体の4割近くにも上っているのだ。

 クマ事情に詳しい地元メディアの報道記者は、知られざる戦慄の実態を次のように明かす。
「ヒグマもツキノワグマも、急所は胸部か頭部になります。多くの場合、ハンターは頭部よりも的の広い胸部を狙い、至近距離から一撃で心臓や肺を打ち抜きます。ところが少しでも急所を外してしまうと、クマはすぐには絶命に至らず、猛然とハンターに襲いかかってくる。こうなったら万事休す。過去には急所に命中しなかったヒグマを追いかけていったハンターが、周辺の藪に逃げ隠れていた手負いのヒグマに反撃され、見るも無残な遺体となって発見されるという、痛ましい事件が起きています。現場を知らない素人は安易に考えがちですが、クマの狩猟や駆除は、まさに『命がけ』そのものなのです」

 経験豊富な北海道猟友会が駆除から手を引くとなれば、市町村が雇う「ガバメントハンター」らが代わりを担うことになるが、その人材育成と実戦配備には多くの時間が必要になる。その間、駆除に駆り出される北海道猟友会のハンターは、安い日当で命のリスクに晒され続けることになるのだろうか。

(石森巌/ジャーナリスト)

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