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記事全文を読む→史上2人目「JRA通算3000勝」まであと2勝…横山ノリさんの思い出「銀座のバーで出くわした時に…」
2月23日で58歳になる横山典弘騎手は、JRA通算3000勝まであと2勝。早ければ今週中にも達成するだろう。JRAの騎手で3000勝以上を記録しているのは今のところ武豊だけで、それほど凄い記録だ。この機会にノリさんの思い出を書いてみたい。
初のGⅠ勝利は1990年、エリザベス女王杯のキョウエイタップだったが、ゴール50メートル手前から派手なガッツポーズをして、見ている者を唖然とさせた。それまでGⅠ勝ちを果たせなかった鬱憤晴らしのようなものが感じられ、今でも忘れることができない。
思い出の牝馬をもう一頭挙げるなら、1997年4月にドバイの地に散ったホクトベガだ。第2回ドバイワールドカップに参戦したものの、最終コーナーから直線に抜けようとしたところで転倒。重度の骨折により、安楽死処分となった。よほどショックだったのか、そのレースについてはしばらくの間、何も語らなった。
重い口を開いたのは、事故の1年後。競馬雑誌のインタビューで、
「ベガを殺したのは俺だ。自分の仕掛けが早すぎたことで悲劇が起きた」
と語っている。それを読んだ瞬間、胸が熱くなった。
ちなみに、ホクトベガは「砂の女王」と呼ばれたが、エリザベス女王杯を含め、芝の重賞を3勝している。牝馬には珍しい二刀流だった。
ノリさんというと、脚をためた競馬をするイメージが強いが、逃げてもしっかり結果を出している。その代表的な馬が1998年の皐月賞と菊花賞を勝ったセイウンスカイだが、ここでは2004年の天皇賞(春)を勝ったイングランディーレ(10番人気)を取り上げたい。
テン乗りで臨んだが、スタートするや押して先頭に立ち、世紀の大逃げを打つ。それも一時は20馬身差を超えるものだった。さすがに最後は一杯になったものの、2着ゼンノロブロイに7馬身差をつけて逃げ切った。優勝馬の写真を撮る際には両手を大きく上げ、十八番のデットーリジャンプを決めたのである。
その18年後、息子・和生がタイトルホルダーで逃げて天皇賞(春)を制覇する。2着馬との差は奇しくも、父と同じ7馬身。おそらくイングランディーレのレース映像を見て参考にしたのではないか。
現在は断酒しているノリだんだが、若い頃はけっこう酒を飲んでいた。30年ほど前、JRA賞があった夜に銀座のバーで出くわしたことがあるが、こちらが「お父さん(富雄さん)のレース見てますよ」と話すと、にこやかな顔をして「それはどうも」と丁寧に頭を下げたのを、今でも鮮明に覚えている。
(兜志郎/競馬ライター)
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