政治
Posted on 2026年04月11日 10:02

「イランを“石器時代に戻す”どころではない」米軍最強・第82空挺師団の戦闘力(3)6月W杯に間に合うか

2026年04月11日 10:02

 冒頭に紹介した演説で、トランプ大統領は戦場での「圧倒的な勝利」を強調し、みずからの戦略の正当性を強調した。だが、ロイターが3月24日に発表した世論調査では、支持率が2期目として最低の36%に急落。国民は長引くイラン攻撃を支持せず、原油価格の暴騰に伴う物価高が市民生活を直撃している。全米各地で大統領の独断専行を批判する「ノー・キングス(王はいらない)」デモが拡大していた。

 トランプ大統領の「誤算」について、山田氏はこう語る。

「イランによる報復が想定をはるかに上回った点にあります。その背景には、イスラエルの対外情報機関モサドが描いた『体制転換』のシナリオがありました。作戦開始後にイランの反体制派を扇動し、内側から政府を崩壊させると主張。これをイランへの強硬姿勢を貫くイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相(76)がトランプ大統領に持ちかけ、楽観的に同調してしまった。実際にはイラン国内の治安当局の弾圧が強力で、読みの甘さが露呈した形に。見通しの甘さをめぐり、イスラエルとホワイトハウスの間で深刻な不協和音が生じています」

 そんなホワイトハウスでも疑心暗鬼の連鎖が起きている。3月23日の会合でトランプ大統領はピート・ヘグセス国防長官(45)に、

「君が最初に『やりましょう』と声を上げたよな」

 と、責任転嫁するようにイラン軍事作戦の責任を詰め寄ったのだ。

 さらに4月2日には、ヘグセス国防長官が陸軍制服組トップのランディ・ジョージ参謀総長(61)を事実上解任。軍の人事政策に不満を抱いたと報じられている。

 イランとの対立が激化する一方、政権中枢には不満が渦巻き、軍の求心力も著しく低下している。指揮系統に亀裂が走る中、トランプ大統領はどんな出口戦略を描いているのか。

「アリ・ハメネイ最高指導者や軍事指導者を排除する能力は十分に発揮し、トランプ大統領の視線は、外交や国家行事の大舞台に向けられています。5月の米中首脳会談を皮切りに、6月は自国開催となるサッカーW杯が開幕。7月4日には建国250周年という歴史的な節目を控え、『強いアメリカ』を世界に誇示したい思惑があります。祝賀ムードを最高潮にするための“手土産”として、主要な軍事拠点のピンポイント攻撃など、決定的な一手を打つことで事態の収束を図るのではないでしょうか」(山田氏)

 最後に、本当にイランを石器時代に後戻りさせる最大級の攻撃を仕掛けるのか。周囲の直言に耳を貸さない“裸”の王様の暴走は続きそうだ。

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