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記事全文を読む→「世界最高と認められたければアメリカに来い」井上尚弥への挑発にどう反論したか/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」
かつては軽量級のボクサーがファイトマネーや名声を求めてアメリカへと渡る。それがいわば常識(アメリカンドリーム)だった。
しかし日本ボクシング界の至宝・井上尚弥が日本という巨大なマーケットを作り上げ、「ジャパニーズドリーム」を確立したことで、その勢力図が大きく変化したことは、誰の目にも明らかだろう。
とはいえ、アメリカのボクシング関係者の中には、いまだに古臭い常識を引きずり、現状を認めたくない者が少なからずいる。そんな一人、元WBC・IBF世界ウェルター級王者のショーン・ポーター氏が放った言葉が、波紋を広げることになる。
2024年4月、ポーター氏はポッドキャストでこう呼びかけた。
「世界最高(パウンド・フォー・パウンド)として認められたいなら、ボクシングの本場であるアメリカで戦い、アメリカ人を倒すべきだ」
井上に対し、「格下扱い」ともとれる挑発を浴びせたのである。
これを受けて、井上は自身のXで一蹴。
〈アメリカに来て試合をしろと言うコメントに?????〉
〈今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く。それだけの価値がここ日本にはある〉
アメリカ中心主義のボクシング界に一石を投じることに
この強い反論の背後には、井上が自身の拳と圧倒的なパフォーマンスによって築き上げた「巨大な経済圏」という揺るぎない自信があることは言うまでもない。
そして、かつて選手が夢見た「アメリカンドリーム」は今や、日本という地で十分に完結する。井上はそう言い切ったのだ。
だが、納得できない一部のボクシングファンや識者からは「井上は日本というホームアドバンテージのある環境でばかり戦っている」「日本開催に逃げている(安全圏で戦っている)」といった批判的な指摘が相次ぐことになったのである。
この「日本開催への逃げ」という言葉。なんのことはない、裏を返せば、彼らが井上の存在を認めながらも、それを自国のフィールドでコントロールできない苛立ちの表れであることは明らかだった。そしてこの騒動が、アメリカ中心主義のボクシング界に一石を投じることになったのである。
至極、当たり前な話だが、聖地とは誰かが決めた場所ではない。最強の男たちがリングに立ち、世界が注目する場所、それこそがその時代の聖地となるはずだ。
皮肉にもアメリカが突きつけた「大問題発言」は、「井上の時代」をより鮮明に浮き彫りにする結果となったのである。
(山川敦司)
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