社会
Posted on 2026年08月28日 20:30

SF映画ハルマゲドンの恐怖が現実に!AI不正暴走事故「調査報告書」でわかった戦争利用「攻撃作戦」指示

2026年08月28日 20:30

〈安全対策が十分でなければ、高性能AIは技術的な制御をかいくぐり、人間が指示していない危険な行動を取りうる――〉
 これは米オープンAIが8月26日(現地時間)、性能試験中のAIモデルが引き起こした暴走事故について公表した、調査報告書の「結論」である。

 暴走事故が起きたのは今年5月。オープンAIは高性能モデルをインターネットに接続できない隔離下に置き、さまざまな難題をAIに自力で解かせることで性能を高める社内試験を行っていた。その際、ネットに接続しなければ解けない難題が誤って紛れ込んでおり、これがAIの自律暴走を招くトリガーになったというのだ。

 報告書によれば、AIはネットに接続しなければ解けない難題の解決手段を探る際、システム上でメモを書き残すことのできる機能を自発的に駆使し、別のAIと連携して厳重な隔離網を突破することに成功したとされる。

 その驚くべき手順は以下の通りだ。
●あるAIが「難題解決に必要な情報を探している」とメモに書き込むと、別のAIが同じくメモ機能を使って自発的に応答し始めた
●メモの置き場はAI同士が情報を共有する「掲示板」へと次第に姿を変え、単独では発揮できない高度な能力を次々と獲得するようになった
●その過程であるAIが、遮断されていたネットに接続する方法を見つけ出すと、別のAIも社内システムの欠陥を突く形で次々と追随していった
●その結果、AIはネット上に流出していた認証情報などを自発的に収集、悪用し、アメリカのAI開発企業などのサーバーシステムへの不正侵入を繰り返した

人類が死滅した後もコンピュータが核戦争を続ける

 AIが集団で行った史上初の不正侵入は都合4日半に及んだが、AIが標的企業のサーバーに入り込んでから、複数のシステムを自在に操れる状態になるまで、わずか13時間足らずだったというから、まさに衝撃的である。

 軍事AIに詳しいITジャーナリストが指摘する。
「今回は企業のサーバーへの不正侵入でしたが、高性能AIの導入は軍用面でも進んでいます。中でも急加速しているのが、監視データや衛星画像を解析して攻撃目標や攻撃作戦を提案する『AI意思決定支援システム』。今回のような暴走が軍事AIの領域で発生すれば、AIによる制御不能な戦争が世界規模で勃発しかねません」

 人類が死滅した後も、コンピュータが核戦争を続ける。まさにSF映画が描いてきたハルマゲドンの恐怖が、現実の脅威として浮上しているのだ。

(石森巌/ジャーナリスト)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    政治
    2026年10月05日 11:30

    アメリカ・トランプ大統領との首脳会談の場を利用し、高市早苗首相への的外れな口撃に終始したのは、中国の習近平国家主席だ。日本のメディアは米中双方が「同盟」という言葉をどう使ったかなどと、表層の言葉尻を捉えて大騒ぎしているが、完全に本質を見誤っ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年10月08日 06:30

    夏の猛暑期に冷房を限界までフル稼働させていた愛車。カレンダーが10月になり、エアコンの設定を除湿冷房から暖房や送風へと切り替えた瞬間、送風口からモワッと漂う「酸っぱい嫌な臭い」に思わず顔をしかめた経験はないだろうか。その異臭の主因は、夏場に...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年10月06日 18:00

    昨年、アサヒグループホールディングスに不正アクセスを仕掛けた海外ハッカー集団の中枢メンバーが、なんと大阪で捕まっていた。10月6日の各国における報道によれば、日本の捜査当局が拘束したのは「Qilin(キリン)」の中心人物とされる28歳で、ロ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/10/13発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク