例えば、こんな場面を想像してほしい。休日の昼下がり、渋滞を避けようと、カーナビが案内した田畑の間の脇道へ入る。一般に使われている道で、車同士がすれ違える程度の幅はある。だが速度を指定する標識や標示、中央線、車両通行帯はなく、中央分離帯や柵も...
記事全文を読む→急死から8年「西城秀樹デビュー55周年」で名曲を岩崎宏美・田島貴男・KAIRYUが歌ったら「面白みなし」パフォーマンスだった
2018年5月に、惜しまれながらも63歳で亡くなった西城秀樹。現在の高齢化社会においては「あまりに早い」としか言いようがなかった。
私は「ちびまる子ちゃん」のまる子のお姉ちゃんと同じく、ヒデキの大ファンだった。数年前に引っ越しした時のまま、いまだに積み上げられた段ボールを漁れば、彼のレコードやコンサートのパンフ、伝手でもらったサインが見つかるはずだ(「探そう」という決心はつかないが)。
郷ひろみ、野口五郎と並んで「新御三家」と呼ばれたヒデキだが、どこか中性的で「坊や」な雰囲気の郷や、ハンサムなんだろうけど地味(失礼)な野口と比べ、ヒデキの高身長で精悍なルックスは当時、まだ子供だった私でもセクシーさを感じるほど、群を抜いてカッコ良かった。
ジミ・ヘンドリクス、ジャニス・ジョプリン、シカゴ、ロッド・スチュワートといった洋楽に影響を受けたという、彼の「絶唱型」と評された歌唱は、そこらのアイドルとは一線を画していた。私がのちにロックや洋楽を好むようになった下地は、ヒデキの影響が大きかったのかもしれない。
なにせ最近は、流行りの男性ボーカルバンドやアーティストというと、線の細いファルセットで「ひょろひょろ~」だの「なよなよ~」みたいな雰囲気の歌ばかり。そんな時代だからこそ、ヒデキの熱い歌を改めて聴きたくなる。
……などという私の願いが叶ったのか、ゲストに岩崎宏美、田島貴男(Original Love)、KAIRYU(MAZZEL)、寺田恵子(SHOW-YA)を迎えた「The Coversスペシャル 西城秀樹ナイト!~デビュー55周年SP~」が、8月27日にNHK総合で放送された。
懐かしいけれども色あせない、当時のヒデキの映像の数々が見られたのは嬉しかった。しかし残念だったのは、岩崎宏美が「ブルースカイ ブルー」、オリジナル・ラブが「ギャランドゥ」、KAIRYUが「傷だらけのローラ」を歌う場面。
いや「The Covers」なんだからそりゃ当たり前なんだけど、ホンキートンク調というかロカビリー風というか、そんな感じのアレンジで、どこかスカした感じで「ギャランドゥ」を歌われても、不完全燃焼にしかならない。そこはオリジナルのままで聴きたかったよ。オリジナル・ラブだけに。
寺田恵子とSHOW-YAは「ディープ・ナイト」までお預け
KAIRYUの「傷だらけのローラ」は「ブレス」の入れ方や「しゃくり」「ビブラート」といったヒデキの歌唱テクニックの表層だけをマネしたようにしか聞こえないし、なにより情熱を感じない。岩崎宏美の「ブルースカイ ブルー」も、ありがちなシンフォニックアレンジで面白みがなかった。
まあ、カラオケ紛いの「コピー」を聞かされるくらいなら、「なんか違う」とか言いつつも「カバー」を聞かされる方がなんぼかマシなんだけど、だったらヒデキが洋楽をカバーした映像をもっと見せてほしかったのに。
ここはひとつ、ゲストの中でいちばんロック(63歳であのセクシーさとカッコ良さは異常)な寺田恵子姐さんにキメてもらいましょう……と思ったら、番組は終了。呆気に取られてしまったが、彼女のトークとSHOW-YAのパフォーマンスは、9月6日にNHK BSで放送される「The Covers 西城秀樹ディープ・ナイト!」までお預けということらしい。もう、焦らし上手なんだから。
(堀江南/テレビソムリエ)
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