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記事全文を読む→阿部慎之助が巨人監督辞任後「初インタビュー」で語らなかった「長女の手紙」への疑問
「いつか何らかの形で、恩返しの続きをしなければならない」
これは巨人前監督の阿部慎之助氏が、9月7日公開の「Full-Count」での独占インタビューで残した言葉だ。謝罪と近況を伝えるはずの告白は、巨人復帰への意欲をにじませるひと言で締めくくられた。反省の表明なのか、それとも復帰に向けて世間の反応を探る観測気球なのか。
阿部氏は5月25日、長女への暴行容疑で現行犯逮捕され、翌日に監督を辞任した。6月15日に不起訴処分となったが、メディアの本格的なインタビューに応じるのは今回が初めてだ。
お世話になった人たちへ謝罪する中で、ファンに現状を伝えることも責任だと考えたという。だが事件直後でも不起訴直後でもなく、なぜ約3カ月後の今なのか。その理由は明かしていない。
しかも巨人は橋上秀樹監督代行のもとで、阪神と激しい首位争いを繰り広げている。シーズンの行方を左右する時期に、前監督が若手への指導と将来の「恩返し」を語る。間の悪さだけで片付けるには、あまりに意味深ではないか。
インタビューで阿部氏は、事件当時に泥酔していたとの報道や、家族への日常的な暴力があったとの報道を否定した。禁酒を長女に約束し、アンガーマネージメントの本を読み、専門家に話を聞いているという。その一方で、語らなかったことがある。辞任会見で代理人が代読した、長女名義の手紙だ。
手紙には長女がChatGPTへ相談し、案内された児童相談所へ電話した経緯が記されていた。冒頭で「私の意思で書いています」とある。しかし、整いすぎた文章への違和感を訴える声があり、誰が公表を決め、家族や代理人が作成にどこまで関わったのかはわからない。
不起訴処分の3日後に巨人決起集会に参加
今回、阿部氏は逮捕までの状況を、自らの視点で細かく説明した。それでも、騒動直後の世論を大きく動かした手紙の経緯には触れずじまい。「大がかりなトラブルは初めて」だったのなら、長女はなぜ最初にChatGPTへ相談したのか。その心境も置き去りにされたままだ。
もうひとつ引っかかるのが、6月18日の行動である。不起訴処分からわずか3日後、阿部氏は橋上監督代行ら十数人のコーチが集まる決起集会に参加した。コーチ陣に誘われたとはいえ、事件から1カ月も経たず、首脳陣との接点を持っていたことになる。
そして今回、浦田俊輔や井上温大らにかけた言葉や起用意図を振り返った末に、「恩返しの続きをしなければならない。ただ、それは僕がすべて決められるわけではありません」と語った。復帰の判断は球団に委ねる。しかし、自分には戻る意思がある。そう読めてしまう言葉だ。
語ったのは、自身に向けられた報道への反論と、巨人への思い。3カ月ぶりの告白で最も鮮明になったのが反省ではなく復帰への意欲なら、「恩返しの続き」はいささか早すぎたかもしれない。
(ケン高田)
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