スポーツ
Posted on 2026年09月19日 18:02

プロ野球12球団「食事格差」サバイバル(3)食べたくなければ自腹で…

2026年09月19日 18:02

 ところで、21〜23年までパ・リーグ3連覇を果たしたオリックスだが、黄金時代に至るまでには苦労が絶えなかったようだ。

「00年代中盤まで、2軍のケータリングはチェーン店のほか弁だけでした。理由は、球団が食事代にそこまで予算を割いていなかったから‥‥。メニューは『焼き肉』『焼き魚』『コロッケ』が多く、朝に用意されてデーゲーム前に食べる段では、すでに油が染みわたっていて口に合いませんでした。それを食べたくない選手は宿舎近くのコンビニで朝、昼食を自費で準備して球場に行っていた。今は改善されたのですが、それでも1軍との格差が大きい。基本メニューは揚げ物とうどん、そば、おにぎりという、茶色いものと炭水化物ばかり。選手によっては支援者に『うまい弁当が欲しい』とリクエストしています」(球団OB)

 23年に立浪和義前監督(57)の発令で、どんぶり飯の提供禁止「令和の米騒動」が話題になったのは中日だ。

「井上一樹監督(55)になってからは特に制限なく食べられるようになりました。細川成也(28)は相変わらずどんぶり飯を食べようとしますが、腹八分に控えることもある。かつて𠮟られたことを反省しているようです(笑)。ちなみに、いくら米の量が提供されようが、食堂のメニュー自体の質を問う声も上がっている。とあるグルメな球界OBが『しかし、ここの飯は何年食ってもマズイな』とこぼしたことがありました」(球団関係者)

 さて、どうやらここ10年で球界を取り巻く食事事情も変わったようだ。

「10年ほど前に、阪神で若手独身ナインが1軍出場する機会が増えました。ナイター後は独身寮で食事が準備されていたのですが『メシ食いに行こう』と夜な夜な焼き肉店などに出払う選手が目立った。不摂生を見逃さなかったのは金本知憲元監督(58)です。球団幹部に『ナイター後、甲子園で夜食を準備できないか』と掛け合って、実現させました。食事の重要性を訴え、練習を多く課す裏で『さっさと食べて、寮でバットを振るなり疲れを早く取ったほうがいい』という考えがあったからです。食事内容は肉、魚などをメインに、ワンプレートでの提供で、白米は食べ放題にした。そのうち単身赴任中の首脳陣にも提供されるようになり、好評を得たと聞きつけた他球団にも広がりました」(球団関係者)

 並行して、コロナ禍を機に、球場と自宅や定宿の往復が義務づけられたナインの行動にも変化が訪れた。

「若手があまり外に出なくなった。食事に行っても1軒目で早々に切り上げて、ホテルに戻ると部屋で晩酌しながらネットフリックス三昧が増えました」(スポーツ紙デスク)

 最後に、選手たちを追いかける番記者たちもご相伴にあずかるケースがある。

 各球場とも共通して、選手にケータリングで提供されるものと取材メディア用のプレス飯は同じ食堂の厨房で作られる。記者は料金を払って利用するが、球場で一般のファンが購入する飲食物とは別の物が味わえるというわけだ。

「そればかりではなく、コロナ前の話ですが、試合終盤、巨人では大量に余った“残飯”がテレビやラジオのスタッフが待機するブースに暗黙の了解で置かれました。上等なピザやいなり寿司が並び、それを楽しみにする若い記者連中もいた。阪神も遠征先の一部球場で、3連戦の最後だけ食事会場を解放。余った寿司、カレーなどが振る舞われました。広島は鈴木清明球団本部長(72)が、敵地でよく『皆で食べて』と寿司折をポンと渡すことも。“毒まんじゅう”的な役目も果たしていましたが、やはりコロナ禍で消えたのは残念です‥‥」(在京テレビ局関係者)

 激しいペナント争いの裏では、悲喜こもごものフードファイトも繰り広げられているのである。

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