社会

取材ノートから東海林のり子が振り返る「あの猟奇事件」

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 戦後のワイドショーを代表するレポーター・東海林のり子氏。フリーの芸能レポーターでありながら、数々の「猟奇事件」を現場でレポートしてきた手腕は高く評価されてきた。その取材ノートは実に66冊。秘蔵のノートをひもときながら、東海林氏に、あの猟奇事件の「今こそ明かす真相」を特別に語ってもらった──。

「現場の東海林です」

 東海林のり子氏が凄惨な事件現場に立って、冷静沈着な声で語り始めると、茶の間の視聴者は釘づけになったものだ。他のレポーターのように涙声にならず、ふだんどおりにやれるところがいかにもプロ技だった。

 1980年代は人間の所業とは思えぬむごたらしい事件が相次いだ。その中でも凄惨さで記憶に残っているのがあの事件だ。

 88(昭和63)年に発生した「女子高生コンクリート詰め殺人事件」は、およそ人間の所業とは思えない残忍な少年犯罪だった。自転車に乗ったバイト帰りの女子高生を転倒させ、そのあと優しく介抱する。少年らは役回りを決めて、女子高生をだまし、ホテルに連れ込んで暴行に及んだ。そして、事件の現場となった少年の自宅2階の部屋に監禁した。

 犯行に加わったのは少年4人で、リーダー格の少年が犯行を主導。少女へのすさまじい暴力は日を追うごとにエスカレートしていく。鉄棒を腹に落としたり、トイレにも行かせず排出したものを飲ませた。そればかりか、鉄球付き棒で大腿部を数十回にわたって殴打。女子高生は全身が血だらけになり目の位置がわからなくなるほど顔が膨れ上がった。

 苛烈な暴行は41日間にわたり続いた。女子高生が監禁されていた家の両親は女子高生の存在を知っていた。一緒に食事したこともあった。女子高生に「早く帰りなさい」と促し、一時は家を出たものの、連れ戻されたのだ。

「綾瀬は新興住宅地として発展し、事件が起きた当時駅前は非行少年のたまり場でした。犯行が行われた現場はリーダー格の少年の家ではなく、犯行に巻き込まれた格好の少年の家だった。取材をしてみて、傷ついた足に鉄球を落としたり、リーダー格の少年はキョンキョン(小泉今日子)の歌を口ずさみながら殴ったというんですから、人間のすることかしらと驚愕しました」

 被害者の死亡に気づいて死体の処理に困った少年らは、遺体を毛布で包み、旅行バッグの中に入れたままドラム缶に入れてコンクリート詰めにして、江東区若洲の埋め立て地に遺棄したのだった。

 東海林氏が公判を傍聴して驚いたのは、

「リーダー格の少年に言われるまま犯行に加わった少年の1人は逮捕から初公判の2カ月くらいで頭が(白髪で)真っ白になっていたことです。自分のしでかしたことの重大性に気づいて恐怖のあまり、頭が白くなってしまったんですね。が、遅きに失したわけです」

 長年こうした事件を取材してきた東海林氏の話しぶりからは、その残虐性に対する批判と、二度とおこしてはならないという熱い正義感が、ひしひしと伝わってきた。

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