こうして長年にわたり培われてきた中畑DNAを、横浜DeNAの選手たちは注入されるわけだが、周囲から心配の声が上がっているのが、監督としての実力だ。前述の「就任を祝う会」ではこんなことがあった。
「後輩の松井に『ジャイアンツに入った頃に教わったことは、何一つ覚えていないですね』とジョークを飛ばされていましたが、半分は本音ですよ」(前出・スポーツ紙記者)
前出・日テレ関係者もこう話す。
「ある巨人OBから聞いた話ですが、中畑さんがコーチの時代、バッティングの相談に行くと『1に気合い、2に気合い、3、4がなくて5に気合い! しっかり打てば大丈夫』と言われ、『この人ダメだ‥‥』とガックリきたそうです」
しかし、中畑監督は自分の「真の役割」を理解しているという。
「中畑さんの基本的な考えは、采配にしてもプレーにしても中途半端がいちばんダメ。打線を固定して、役割をしっかりと意識させたほうが勝利につながるというもの。オレはムードメーカー役で細かい戦略は、頭のいい白井(一幸コーチ)に任せると割り切っているそうです」(前出・専門誌記者)
そんな中畑監督が、意外に頭脳派かもしれないと指摘するのは、前出の日テレ関係者だ。
「本来ならインフルエンザで倒れた翌日のスポーツ紙1面は、『ナベツネVS清武』初公判の記事だった。中畑さんはナベツネさんに恩を売って悲願の巨人軍監督就任を果たすために“インフル演技”をしたのではという見方をする関係者もいるんです」
実際、原監督も中畑監督を本気で警戒しているとか。
「その証拠に原監督はキャンプ2日目にして横浜DeNAにスコアラーを派遣している。一方の中畑のモットーは義理、人情、思いやり、恩返し。震災前から『人と人のつながり』が大切と訴えていただけあって、巨人のスコアラーをいきなりブルペンに招き、他の首脳陣に怒られました(笑)」(前出・スポーツ紙記者)
横浜の元エースで評論家の野村弘樹氏は“新生・横浜”にこう期待を寄せる。
「中畑効果で、4年連続最下位のチームの雰囲気は変わってきていると思います。減少の一途だったファンや報道陣が増え始め、何より監督自身が明るくふるまうから、選手たちも声が出るようになった。投手への1500球ノルマや、長時間のランニングなど練習量も大幅に増えましたが、量だけでなく質も向上しているように見えますよ」
ここは、開幕戦に合わせ自慢の舌好調を「最高潮」に持っていって、ますます楽しませてほしいものだ。
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