TBSが総力をあげる日曜夜9時のドラマ枠。昨年末に、木村拓哉でコケた「南極大陸」に続き、モックン主演の「運命の人」も苦境にあえいでいる。その要因をコラムニストの今井舞氏は「リアリティのなさ」と喝破する。
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「人物描写があまりにもベタ。モックン自体は仰々しいしゃべり方とか恰幅のよさとか昭和の男の雰囲気を出そうと努力しているようですが、語る言葉は社会正義とか言論の自由とか小難しい話で、セリフが全てキレイごと。だから人間味が見えてこず、感情移入もできないんです。夫婦喧嘩のシーンでも、子供たちが泣きながら抱きついてきて、『喧嘩はやめてよー』とか、全てが記号的で既視感がある。志村けんのコントかと思うほどです」 ドラマ「運命の人」は、6年ぶりに民放の連続ドラマ主演となる本木雅弘(46)、脇を固める真木よう子(29)、松たか子(34)らそうそうたる顔ぶれがそろった。だが、蓋を開けてみれば視聴率は低迷。第6回では、ついに10%を割り込んだ。
「真木よう子が出ると、色っぽいシーンをどうしても期待しちゃうじゃないですか。日曜の夜9時におっぱい出せとは言わないですけど、ベッドシーンがぬるい。大河の『龍馬伝』でも真木のシーンをさんざん話題にしておきながら、『やっぱりね』というレベル。 もうマキマキ詐欺。被害にあうとわかっていながら、また見ずにはいられないからタチが悪い」
このドラマは実際に沖縄返還時の密約をすっぱ抜いた「西山事件」をもとにした山崎豊子氏の小説が原作なだけに、当時の事件とオーバーラップさせている視聴者も少なくない。ところが、リアリティの欠如したつたない描写で視聴者の心もつかめないとなれば、本末転倒ではないか。
今井氏も手厳しい。
「運命の人はあまりにも“昭和”に寄りかかろうとしすぎて『外国人が誤解している日本』のような違和感が残る。『左遷され酒浸り』という設定の外務官僚を訪ねると、ウイスキーボトル片手に酔っ払いながら出てくるとか、主人公と対立する関西出身の営業担当者が『~でっしゃろ』『~でんがな』とか。時代の雰囲気だけに寄りかかりすぎて、その結果『こんな人いないでしょ』っていう描写になっているんです」
さながら、マンガのようなステレオタイプの登場人物に、視聴者もそっぽを向いたに違いない。
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