「日本の球団は、親会社の下にある子会社でしかない。だから、親会社から野球を知らない人が天下ってくる。これが球界衰退の原因の一つであり、『アホ』な構造なわけですよ。『清武の乱』は、まさにその縮図です」
こう話すのは、野球評論家の江本孟紀氏。江本氏が過激な一冊、「『アホ』がプロ野球を滅ぼす」(KKロングセラーズ刊)を上梓した。
「清武の乱」とは、昨年11月に巨人の清武英利GM(当時)が渡辺恒雄会長の「球団の私物化」を涙ながらに訴えた騒動だ。同書では冒頭から、「清武の乱」を鋭く分析し、球界の“病巣”を摘出している。
江本氏が続ける。
「清武さんは、親会社の野球オンチが子会社である球団に天下って好き放題にやるという球界の悪い構造の犠牲者とも言えます。ただ、彼はGMという役職を勘違いしていた。アメリカのGMにも野球をやったことのない人がいるが、彼らはよく勉強している。高額年俸をもらっているものの、結果が出なければお払い箱です。でも、清武さんは使いものにならない外国人を獲得して現場から総スカンを食らい、それで優勝できなくても親会社からの天下りだから責任は取らない」
日本に根づかない「GM制度」。親会社の意向が強く働く「一社一球団制」。この両方のダメっぷりが「清武の乱」で露呈したというのだ。
もちろん、読売グループのドン、渡辺会長についても、同書でこう斬り捨てている。
〈ナベツネさんには巨人だけが強ければいい、つまり読売新聞社だけが儲かればいいという、強い企業防衛があって、球界を一つにして発展させていこうという発想が乏しい〉
江本氏は何も巨人だけを標的にしているわけではない。他球団の上層部に対しても、〈ナベツネさんにモノを言わせて、自分たちの利益を守ろうとする『ズルさ』を持っている〉と指摘している。
そして、フロントだけでなく監督にもメスを入れている。中日の落合博満前監督には、〈最もおもしろくない『采配』をする監督の『采配』という本がベストセラーになるのは皮肉なもの〉とキツ~イひと言。
また、古巣の阪神・和田豊監督を〈よくしゃべる真弓〉と評している。野球観は語らないのに、ふだんはおしゃべりという意味らしい。
このように、同書で江本氏は四方八方に「アホ !」を連発しているのだ。
「『アホ』というのは、東京で言われると気分が悪いかもしれないが、関西では親しみを込めて使うんです。プロ野球の話題といえば、ダルビッシュのことばかりです。有力選手は大リーグに流出し、人気凋落の著しいプロ野球はこのままでは絶望的です。何とか立ち直ってほしいから、そういう意味を込めての『アホ』なんです」(江本氏)
同書の最後に「10の改革案」が示されている。球界首脳にエモヤンの進言はどう響くのだろうか。
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