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記事全文を読む→東日本大震災「余震、いまだ止まず」(7) サンコンも嘆く「地に落ちたニッポンの食の安全神話」
みずからの誕生日がくしくも3・11だったというオスマン・サンコン氏(63)。そんなサンコン氏が震災と原発に揺れたこの1年を「今の日本は本当にダメ」と憤るのだ。
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今年で来日40年目、愛息に「ヤマト(大和)」と名付けるほどの親日家であるサンコン氏。フランス最高学府・ソルボンヌ大学卒の外交官という立場から、現代ニッポンへの憂いをブチまけた。
「原発事故直後、フランスにいる兄から電話がありましたよ。フランスの原発で働いている兄の友人は、『もう東京もダメだ』と言ったというんです。すぐに日本を出ろと言われました。でも私は日本が好きだし、義理と人情がモットーだから日本にとどまる選択をしたんですよ」
先日、母国・ギニアに帰国した際、周囲から目を白黒された。もはや原発事故で放射能汚染が深刻化した日本で、健康でいられること自体、信じられなかった様子だったという。
でもこれは、日本の情報開示のまずさによる結果だ、とサンコン氏は断言する。
「政府、東電などがバラバラに会見をやって、しかも情報が全然ない。データもない。『さしあたって人体に大きな影響はございません』の繰り返し。外国人だけでなく日本国民も不安になるでしょう」
そんなサンコン氏は当初はCNNやBBC、フランスの新聞ル・モンドなどから情報を集めた。
「とにかく海外の報道は日本とは逆で、むしろ危険性が高いことを強調していました。それは野田総理が冷温停止宣言をしたあとも同じ。まだ、事故が拡大する危険性を指摘しています」
しかし、一方でこれまでの情報などを総合して、「チェルノブイリ事故よりひどい事態にはなっていないだろう」とみずから分析している。しかし、周りの在日アフリカ人などの中には、いまだに国産の魚介類や米を食べることを避けている人たちもいるという。
「結局、最初の情報開示で信用を失ってしまったから、今でも誤解や不信感が続いている。世界で最も食の安全が確立されていた日本の信頼を低下させた」
一方、この1年の政府の震災復興対策についても「言っていることとやっていることが違う」とバッサリ。
「私は宮城県の気仙沼や女川も行きましたよ。今でもガレキが積み上がり、船が横倒しになったまま。復興と言い続けて、あれだけ義援金が集まったのに、このありさま。あのお金はどこに行ったのって聞きたいくらいですよ」
この間、日本では菅総理から野田総理に代わったが、サンコン氏の目からすれば何が変わったのか、特に印象はないという。
「菅総理は原発事故で原発から社員を撤退させようとしていた東電に乗り込んで叱ったでしょう。あれはよかったけど、そのあとズレていっちゃった。そして野田総理に代わったけど、それで何が変わりましたか?」
そんな日本でリーダーはいかにあるべきか。
「そもそも今回の震災で避難所の被災者の皆さんは、配られる食べ物を静かに並んで受け取って静かに食べていますよね。あれが海外だったら我先にとパニックになりますよ。それが日本の伝統と文化。その日本人でいることに誇りを持ってほしい。ある意味、政治家は常に羽織袴でいるぐらいの、日本人としての自覚と国民への愛が必要ですね」
原発事故をものともせずに日本にとどまり、国産食品を食べ続けるサンコン氏の熱き魂。この義理も人情もある忠告に耳を貸せない御仁はもはやニッポン人とは言えないかもしれない。
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