芸能

紅白歌合戦“ドラマチック歌姫”の60年史!【<93年第44回>「男」久宝留理子】

20151210m

 93年、宝石のCMソング「男」が大ヒットし、みごと、紅白初出場を果たした久宝留理子(46)。時価3億円の豪華衣装をまとった緊張のステージを告白!

「♪Ai Ai Ai Ai 愛してると」というサビが強烈に印象的な「男」は、カメリアダイヤモンドのCM曲。それだけに、スポンサーが用意した久宝のアクセサリーは、ダイヤモンドのティアラや指輪など、総額3億円と言われて話題を呼んだ。

「やっぱり重いんですよ、本物は。警備の人がしっかりとガードしてくれましたよ、宝石を(笑)。それと、白い手袋をした専門家の人もついてくれましたね。衣装に緊張したか? いや、うれしかったですね。だって女性として高価なものを身につけるのは、うれしいじゃないですか」

 そう笑う久宝だが、ただ一つだけ気になることがあったという。

「当時、小林幸子さんが豪華な衣装で毎年出ていらっしゃったので、袖でお目にかかった時に、何となく謝っておいたほうがいいのかなと(笑)。それで『(初出場で)すみません』って謝ったんです。小林さんは優しく、『いいのよ、いいのよ、そういう子が出てきてくれなくっちゃ』とおっしゃってくださって。それをすごく覚えています」

 ベテラン歌手ならではの初出場歌手への気遣いであるが、そこは紅白である。本業である歌唱自体へのプレッシャーも並大抵ではなかった。

「私は紅組のトップバッターだった。白組がやはり初出場のX JAPAN。この年は紅組が先攻だったから、ホントの意味での一番手なんです。オープニングセレモニーのあと、私だけ残されて‥‥。その緊張はすごかったですね。何といっても生ですし、最初の私がコケたらシャレにならないじゃないですか」

 そんな彼女が、緊張を少しでも解きほぐすためにやったのが、実にクラシックな方法だった。

「歌い出しの『何くわぬ顔して』を手のひらに書きました。ポーンと真っ白になるのがいちばん怖いですからね。司会者の方が自分を紹介してくれている間、何度も見て口の中で復唱して‥‥。アタマさえ出れば何とかなるだろう、と。でも画面には字幕も出ますから、歌詞を間違うわけにはいかないんですけどね。あとで手のひらの歌詞を見たら、しっかり汗でにじんでいました(笑)」

 まさに大舞台の上にいた人間だけがわかる臨場感だ。その他にも、「同じ初出場組の天童よしみさんとは関西出身つながりでお話をさせていただいた記憶がありますが、あとは誰としゃべったかもまったく覚えていない」とも言う。

 そんな思い出深い紅白初出場であるが、その価値は十二分にあったようだ。

「おじいちゃんから子供まで観る番組ですからね。スタッフ間では、『男』をこう売っていこうという戦略があったので、紅白出場は何よりも達成感が大きかったです。デビューから3年たっていたし、地元の神戸ではメディア出演が少ないと『何してるの?』みたいな感じになっていた。私、小さな頃からいつも家で歌っていたので、近所の人にうるさいと言われたこともあったみたいで。でも、紅白に出たら、『やっぱりそこまでいくと思ってたわ、上手やったもん』って(笑)」

 典型的なエピソードではあるが、これも紅白ならでは。今も久宝は、紅白と「男」には感謝の念が強いという。

「この間、音楽番組で(嵐の)櫻井翔くんに『男』をよく聴いていました! と言われて。私の娘が櫻井くんのファンなので、いっそううれしかったですね」

 彼女のパワフルな初紅白が、名曲が歌い継がれる要因になったことは間違いあるまい。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
高島礼子の声が…旅番組「列車内撮影NG問題」を解決するテレビ東京の「グレーゾーンな新手法」
4
「致死量」井上清華アナの猛烈労働を止めない「局次長」西山喜久恵に怒りの声
5
皐月賞で最も強い競馬をした3着馬が「ダービー回避」!NHKマイルでは迷わずアタマから狙え