社会
Posted on 2015年12月20日 17:59

寒さと忘年会にご注意!冬は痔の季節

2015年12月20日 17:59

20151220di

 冬になり、寒くなると流行るのは風邪ばかりではなかった。あのおぞましい痔が悪化しやすくなる季節でもあるのだ。

「痔とは肛門の病気の総称で、いぼ痔(痔核)、きれ痔(裂肛)、痔瘻があり、最も多いのは痔核で患者の半数を占める」(佐藤玄徳内科クリニック・佐藤玄徳院長)

 そして痔を悪化させる原因は次の4つ。排便のコントロールの悪さ、疲労の蓄積、アルコールや香辛料の取り過ぎに、身体の冷えである。

「冬は特に下半身が冷えて血行が悪くなるので、免疫力が落ちます。さらに冬は水分の摂取量も減るので、便秘になりやすくなる。1年の疲れ、そしてストレスも蓄積するうえ、飲酒の機会が増え、痔の悪化が進みます」(前出・佐藤院長)

 佐藤院長は、医師の診察、治療を受けるのが一番だと言うが、わかっていても行きにくいのが痔。そこでこんな「退治方法」もある。栃木県茂木町の国神神社で年に一度行われる「じかたまじない」という奇祭だ。これは卵形の石にヒップを突き出し、「けっぴたし」と呪文を唱えながらヒップを振り、痔の平癒を願うもの。遠方からも悩みを抱える人が大勢押し寄せる。声を出し、ヒップを突き出して振ることで血行が良くなり、ストレスも減るそうだから、ご利益、効能はあるようだ。

 一方、家庭でこっそり、という方には薬の使用となる。痔の薬は多く出ているが、日本の伝統薬を集めた「妙薬探訪」(徳間文庫)には、江戸時代の外科医・華岡青洲が考案した「紫雲膏」が痔に効くとある。紫雲膏の成分はムラサキ草の根である紫根と、セリ科シシウド属の植物である当帰、そしてゴマ油。紫根には抗ウィルス作用がある。

〈紫雲膏は怪我や火傷の薬として大人気だったのだが、実は痔の薬として爆発的に売れた〉(「妙薬探訪」より)

 江戸時代から痔は国民病だったのだ。紫雲膏はたいていの薬局で売っているので、痔主は試してみてもいいだろうが、最後は医者に診てもらうのが一番か。

(谷川渓)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク