津波高2メートルと聞くと、いくぶんホッとするかもしれないが、侮ってはいけない。
「2メートルの津波は家を押し流すに十分なエネルギーがあります」
と話すのは、は防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏だ。
「東京湾内には32キロにわたって高潮防潮堤が張り巡らされています。そのためこれまで津波被害は受けにくいという“安全神話”がありました。が、高潮防波堤は横からの圧力には強いものの地震の縦揺れには弱い。強い地震動で防潮堤が壊れ、無防備になったところへ津波が押し寄せガレキが街へ流れ込んでしまう」
特に心配なのは、江東区などのゼロメートル地帯である。
「荒川や隅田川に囲まれた一帯には運河が縦横に走っている。あの辺りは平時でも水位が高い。そこへ津波が遡上すれば街は壊滅です。少なくとも3階以上の鉄筋コンクリートの建物に避難すべきです」(渡辺氏)
東日本大震災当時、津波で壊滅した石巻市の沿岸部では最初の地震動で地盤が1メートル余り沈下したという。そう考えると、津波の高さは2メートルでも、実際は3メートルと考えるほうが現実的だ。
ちなみに、大津波は東京湾入り口に当たる千葉・富津岬にぶつかると、反射して4メートルほどの高さの波が横浜港を直撃。そうなると、横浜駅周辺は水没するおそれがある。同様にその北の川崎市も、低地は水没し東京との境に流れる多摩川を津波が遡上し、一帯が甚大な被害に見舞われるという。
一方、揺れについてはどうか。内閣府では横浜市で震度6弱、都内で震度5強の揺れを予測しているが、前出・村上氏が続ける。
「南海トラフでM9の地震が発生した時、いちばん怖いのは震源により近い東京西南部。とりわけ大田区のベイエリアには木造住宅が密集していて心配です。一般的に震度6の揺れを感じると、木造住宅の20~30%は倒壊すると言われています。しかも1981年の建築基準法改正で、耐震設計の新基準が策定される前に建てられた木造住宅は、より倒壊しやすい」
さらに直下型の「東京湾北部地震」が発生すると、事態は絶望的。この地震の被害想定の予測地図は、3月30日に文部科学省のプロジェクトチームが発表したが、従来の想定震源域より震源が10キロ浅いため揺れが伝わりやすく、沿岸域では軒並み震度7の激震が予想されているのだ。震度7といえば「建築基準法改正前の昭和40年代に建てられたマンションは、倒壊する可能性すらある」(前出・村上氏)という。
前出・渡辺氏が言う。
「震度7の地域が増えたことよりも都内の震度6強の地域が倍以上に増えたことが心配です。6強なら81年より前に建設された木造住宅は全壊でしょう。そして環状6号線と7号線に挟まれた中野区、杉並区、世田谷区の木造家屋密集地は火災が起きれば火の海です」
足立区、葛飾区、大田区も木造家屋が多く危険だという。
火災から逃れようとした人の群れは家路を急ぐ帰宅困難者とぶつかり、都内は大混乱になるというのだ。
「そうなると、東京だけで2万人以上の犠牲者が出るでしょう」(前出・渡辺氏)
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