社会
Posted on 2016年02月09日 01:55

廃棄業者・加工業者“ゴミ食品”戦慄の流通網を暴く(1)シールを貼り替えれば再生

2016年02月09日 01:55

20160211h

 ゴミとして処分されたはずの冷凍ビーフカツが廉価で転売され、堂々と一般消費者たちの胃袋へと運ばれていく。そんな「食の安全」を脅かす不測の事態は、なんと氷山の一角にすぎなかったのだ。かくも「ゴミ食品」であふれ返った美食の国・ニッポンの暗部を気鋭のジャーナリストがえぐり出す!

 東京近郊に店を構える個人経営のスーパー店主は、

「鶏肉の解凍すり身、ミートボールは、賞味期限前日は1~2割引き、期限当日は半値にします」

 と話す。いずれも真空パック入りで通常は250~300円弱で売っているという。いかに値引きしようと、それは店の勝手である。しかし、よくよく聞いてみると、「賞味期限」も勝手に設定されている。

「期限当日に半値にしても売れ残ることがある。その時は再冷凍して、適当な時期にまた店頭に出します。(賞味期限を打ち込んだ)シールは簡単に張り替えできるから。それを繰り返していると、本来の賞味期限なんて忘れてしまう。半年オーバーは当たり前。真空パックだから、雑菌繁殖はないと思うんですがね」

 元をたどれば、これらの品々は大手スーパーで売られていたものだった。なぜ、それが東京近郊の店に流れたかというと、そもそも廃棄食品だったからだ。

 スーパー業界には「3分の1ルール」と呼ばれる取引形態があり、これも勝手に定められたものだ。つまり、賞味期限が3カ月の場合、その3分の1(1カ月)を過ぎた商品は店に納品できない。また、ルールどおり1カ月以内に納品しても、賞味期限まで3分の1を切った商品は売り場から下げる決まりになっている。

 先の店主は、

「こんなバカバカしいルールがあるおかげで店がなんとか経営できている」

 と苦笑いしながら話す。

「業界ルールから弾き出された商品は、返品されるか廃棄の運命。品質に問題がなくてもゴミ扱いだ。そうしたゴミ食品が、産廃(産業廃棄物)業者から食品業者、卸業者へ流れ、最後は、うちのような個人経営の店に持ち込まれる。大手スーパーが300円弱で売っていた鶏肉のすり身を『50円でどう?』と言われれば当然、飛びつきますよ。賞味期限が1日でも残っていれば、なおさらだ。その1日はシール張り替えでどうにでも引き延ばせるから」(前出・スーパー店主)

 商品には原材料名や内容量、保存方法などが入った表示枠がプリントされているが、賞味期限にかぎって「枠外記載」とあり、これが店主の言う「シール張り替えでどうにでも引き延ばせる」抜け穴になっている。

 釜揚げうどん、煮込みうどんなども同じ手口で賞味期限をすり抜け、本来ならゴミとして処分すべきものが店頭に堂々と並んでいる。やはり表示枠の賞味期限は「枠外記載」となっている。それらの商品を小売店に納品している卸業者はこう話す。

「大手スーパーの廃棄うどんを付き合いの長い食品会社が買い取り、それを正価(230円)の10分の1で仕入れる。卸値はその2~4倍。賞味期限が切れて1年以上過ぎたものも扱っているよ。もともと冷凍うどんではないが、それを冷凍にすれば2年くらいは問題なく食べられる。20年以上前から廃棄うどんを扱っているが、クレームは一度もないからね」

 廃棄うどんの素性を、小売店に明かす場合と明かさない場合があるという。

「取引が長い店にはちゃんと説明して納得してもらう。そうした店には仕入れ値の2倍で卸し、4倍で卸す店には廃棄うどんであることは内緒にする。その代わり、業界の“3分の1ルール”から外れたもので、『賞味期限まで1カ月近くあるから』と言うと、間違いなく仕入れてくれる。それまで売っていた大手スーパーの名前を言えば、逆に喜ばれるよ」(前出・卸業者)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2026年03月16日 14:00

    阪神ファンゆえに、イジメにあう。そんな子供時代を過ごしたのは、タレントの千秋だ。今でこそ猛烈な阪神ファンのタレントとしての地位を築いているが、そこに至るまでにはツライ体験があったという。それは3月14日の「せやねん!」(MBSテレビ)で、W...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    芸能
    2026年03月17日 16:30

    毎年ホワイトデーにオリコンニュースから発表される「男性が選ぶ恋人にしたい有名人ランキング」。19回目となる今年の1位に輝いたのは、吉岡里帆だった。5年連続1位獲得により、吉岡は今回で「殿堂入り」となった。庇護欲をくすぐる困り顔、柔らかそうに...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    芸能
    2026年03月18日 07:15

    小栗旬が年内公開の日米合作映画「バッド・ルーテナント:トウキョウ」で、ハリウッド女優リリー・ジェームズとダブル主演する。同作は1992年の「第45回カンヌ国際映画祭」で話題になった映画「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」(アベ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/3/17発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク