芸能

名作ドラマ“至高の最終回”の謎を総直撃!(3)「<1991年6月27日・もう誰も愛さない>田中美奈子」

20160310j

 少し目を離すと展開が目まぐるしく変わる…。それが「ジェットコースタードラマ」と呼ばれたジャンルだ。特に「もう誰も愛さない」(91年、フジテレビ系)の衝撃は今も語り継がれるが、主演の一人だった田中美奈子(48)に聞いた。

── 幼なじみの卓也(吉田栄作)と組んで、銀行の同僚だった美幸(山口智子)の家の財産を奪う。それが小百合の役どころで、稀代の悪女でしたね。

田中 同じ制作会社と以前もお仕事をしていて、その時はコメディタッチだったんです。今回はどんな路線かなと思ったら「全員が悪役です」と言われました。中でも私がやる小百合が、先陣を切って悪の部分を引っ張ってもらうと。

── ショックは大きかったですか?

田中 シナリオを見たら美幸を暴漢にレイプさせる、車椅子ごと階段から突き落とす‥‥思わず「私がやるんですか?」と聞き返しました。ただ、ここでためらっていたらドラマにならないと、気持ちを切り替えて撮影に入りましたね。

── スタートと同時に、主要キャストの立ち位置が複雑に入り乱れ、出生の秘密や、善と悪がいつしか入れ代わるような展開が話題になりました。

田中 途中でトイレに立てないとよく言われました。いろんな知り合いに「次はどうなるの?」と聞かれましたけど、そこはグッと我慢して(笑)。私もシナリオをもらうたび「えっ、これからどうなるの?」と楽しみにしていた一人です。

── さて、23.8%を記録した最終回も、二転三転する壮絶な結末。

田中 悪徳弁護士役の伊藤かずえちゃんの死に方は強烈でした!

── バラバラ死体となって、手足や生首が黒いゴミ袋に入れて捨てられる。さすがにDVDやCSでの再放送では「生首ゴロリ」はカットされていましたが。

田中 ドラマの終わり方ってすごく難しいと思うんですけど、これはジェットコースタードラマとしての期待を裏切らなかったですね。登場人物ほぼ全員、死んでしまいましたし。

── 先に名前が出た以外でも薬丸裕英、辰巳琢郎、かとうれいこ、伊武雅刀、観月ありさも亡くなってしまった。多くは刃物や銃弾によるが、小百合だけは子宮ガンによる病死。

田中 バチが当たったんでしょう、それまで悪いことしてきたから(笑)。ガンになってからの撮影はノーメイクで臨んで、小百合も最後は改心していました。

── オンエアの約半年後、92年1月22日には、山口智子のマンションに暴漢が押し入る“模倣事件”も発生。いろんな意味でドラマの影響力を知らしめました。

田中 私も本来はコミカルな作品が好きなのに、悪役のイメージが強くなりましたね。昨年の「新・牡丹と薔薇」(フジ系)でも、主役の2人を翻弄する演技が強すぎて“ラスボス”と呼ばれていたみたいで(笑)。

── 話題になった「幸せの時間」(12年、フジ系)や「半沢直樹」(13年、TBS系)の役どころでも、画面に登場するだけでザワザワとさせますよ。

田中 私の今を決定づけてしまった作品ですね。たまには、いい人をやらせてよとも思いますが(笑)。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    動画もオンラインゲームもラグ知らず! OCN 光はなぜ夜のエンタメシーンでもおすすめなのか

    Sponsored
    251202

    PCの画面を見ながら、F氏は愕然とした。デビュー以来推していた某女性グループの1人が卒業するから….ではない。涙を堪えながら、その最後のお別れとなる卒業ライブ配信を視聴していたところ、最後の挨拶を前に、動画サイトの画面がカクつき…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , |

    中年リスナーがこぞって閲覧!“あざとかわいい”人気美女ライバーが、リスナーとの関係や仲良くなれるコツを指南

    Sponsored
    264969

    ここ数年来、ネット上の新たなエンタメとして注目されている「ライブ配信」だが、昨今は「ふわっち」の人気が爆上がり中だ。その人気の秘密は、事務所に所属しているアイドルでもなく、キャバ嬢のような“プロ”でもなく、一般の美女配信者と気軽に会話できて…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    配信者との恋愛はアリ? 既婚者が楽しむのはナシ? 美女ライバーと覆面リスナーが語る「ふわっち」セキララトーク

    Sponsored
    266588

    ヒマな時間に誰もが楽しめるエンタメとして知られるライブ配信アプリ。中でも「可愛い素人ライバー」と裏表のない会話ができ、30代~40代の支持を集めているのが「ふわっち」だ。今回「アサ芸プラス」では、配信者とリスナーがどのようにコミュニケーショ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
原巨人が今オフ大量戦力外通告の大ナタ「30歳前後の右リリーフ投手」が対象に
2
AI予測「勝率10%」の絶望から大逆転した藤井聡太「普通ではない飛車」に解説者が思わず…
3
引退表明・小野伸二が中田浩二を唸らせた中村俊輔との「雲泥点」
4
中国に高く売りさばいて年収3000万円「ホタテ御殿」漁業者が今さら泣きつく「禁輸措置から救済」のご都合主義
5
オリックス・山崎福也10勝到達の格安左腕は「FA移籍なら広島カープ」の裏事情