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芽生えていた「卒業への決意」
同じ映画の中で、昨年夏の西武ドームコンサートの様子も収録されている。研究生や後輩の様子を見て思わず前田が「私たちはいつかいなくなるんだよ、その時にはみんなが引っ張っていかなきゃいけないんだよ」と語気荒く叱責していたシーンが映し出されていた。
恐らくその時すでに彼女の中で「卒業への決意」が芽生えていたのだろう。AKB48全体を引っ張っている自覚からきた危機意識だ。前田敦子はAKBを愛している。
再び、時は3月のさいたまスーパーアリーナへ戻る。前田の卒業はごくわずかの人しか知らなかったという。所属事務所ですら知らなかった。相談を受けていた板野、篠田は「いつかそういう日が来るだろう」と覚悟はしていたが、まさかこの日だとは思っていなかっただろう。
唯一、AKB48の約6年半の長い歴史を一緒に引っ張ってきた高橋みなみだけには直前に「言うよ」と小さい声で告げた。それが何を意味するのか高橋みなみにはすぐにわかった。
「正直、不安でいっぱいです。どうなるかわかりません。ですが、ここにこうしてたくさんいる後輩のためにも、私が卒業して歩きださなければいけないと思います」
横でじっと話を聞いている高橋。最後の1曲を歌い終わって前田・高橋が手をつないでステージを去っていく後ろ姿はまるで台本のある映画の1シーンのようだった。
AKB48を愛したまま卒業できる前田敦子は幸せだ。そして、14歳でAKB48に入り、人見知りで自分の気持ちを伝えることがとても苦手だった少女は20歳になり、はっきりと自分の言葉で自分の気持ちをファンに向かって直接言うことができるようになった。
前田敦子の新しい夢はまだ始まったばかり。この先、どんな苦難が待ち受けているかわからないが、きっとこの6年半の経験を糧に乗り越えていくだろう。今年の前田は総選挙を見守るのみ。そして、宿命のライバルがいない寂しさを感じながらも、恐らくは大島が1位に返り咲くことだろう。
「前田のいないAKB」はファンにどんな姿を見せてくれるのか。カウントダウンはすでに始まっている。
アサ芸チョイス
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