スポーツ

あのスターを生んだ夏の甲子園(16)清原も松井秀もできなかった平田良介の大記録

20160821hirata

 ゴタゴタの続く中日ドラゴンズだが、今年からその主将を務め、チームの牽引役を務めるている平田良介。実は高校時代に甲子園でとんでもない怪物ぶりを発揮していた。

 03年に名門・大阪桐蔭に進学すると1年夏から6番でレギュラー。同年秋から4番に座り、2度、甲子園に出場している。最初は04年、2年時の春の選抜。このときは初戦で二松学舎大付(東京)と対戦し、5-0で快勝。平田自身も3-0で迎えた7回裏に甲子園初本塁打となる中越え2ランを放った。続く2回戦はダルビッシュ有(現・レンジャーズ)を擁する東北(宮城)。この試合、結果的には大阪桐蔭は2-3と惜敗。平田自身もダルビッシュ有⇒真壁賢守という投手リレーの前に4打数無安打。初めての甲子園はわずか2試合で幕を閉じた。

 2度目の甲子園は3年時の05年夏の選手権。その初戦の春日部共栄(埼玉)戦は1回裏に先制のタイムリー二塁打、3-6とリードされた5回裏には追撃のタイムリー三塁打を放った。試合も打撃戦のすえ9-7で逆転勝ち。2回戦の藤代(茨城)戦は8-1で快勝。この試合で平田は2本の長打を放ち5打数2安打。5回表には夏の甲子園第1号となる3ランを放っている。続く3回戦の清峰(長崎)戦は3打数1安打だったものの、チームは4-1で勝利。そしていよいよ、平田のバットが驚異の記録を作る準々決勝を迎えるのである。相手は1年前の春に敗れた東北高校だった。

 まず平田は2回裏に左翼席最前列へと飛び込む先制ソロを放つ。4回裏には2打席連続となるライナーの一発を左中間へ。5回裏の第3打席は1死一、二塁のチャンスの場面で、ライトフェンス直撃の二塁打。そして第4打席。3-4と1点ビハインドで迎えた7回裏1死三塁の場面でなんとバックスクリーン右にぶち込む特大の逆転弾を放ったのだ。終わってみれば4打数4安打5打点。夏の甲子園での1試合3本塁打はかつて清原和博(元・西武など)だけが達成した大記録である。しかし清原はフェンスの手前に柵のあったラッキーゾーン時代。正真正銘の“スタンドイン3本”は平田が史上初めての記録であった。

 準決勝では駒大苫小牧(南北海道)の絶対的エース・田中将大(現・ヤンキース)の前に敗れ去ったが、当時、中日の名将だった落合博満の目に留まったのは当然、3発の超高校級スタンドインだった。

(高校野球評論家・上杉純也)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身