芸能

天才テリー伊藤対談「藤竜也」(1)役を演じる前には履歴書を作ります

20161013p

●ゲスト:藤竜也(ふじ・たつや) 1941年、中国・北京生まれ。1962年、日本大学芸術学部演劇学科在学中にスカウトされ大学を中退、日活に入社。同年、映画「望郷の海」でデビュー。1966年、映画「嵐を呼ぶ男」で渡哲也の弟役を演じ、注目を集める。1968年、元日活女優の芦川いづみと結婚。その後、「野良猫ロック」シリーズなどに主演し、アクション俳優としても人気を博す。1972年に日活を退社、フリーになるとテレビドラマにも活躍の場を広げ、1974年のTBSドラマ「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」などで、お茶の間に強烈な印象を残した。1976年には大島渚監督のハードコア映画「愛のコリーダ」に出演、大きな話題を呼ぶことに。近年は北野武監督の「龍三と七人の子分たち」に主演し、好評を博した。10月8日より、新宿バルト9ほかで最新出演作「お父さんと伊藤さん」が公開予定。

 日活ニューアクションで頭角を現し、以後、多くの映画・テレビドラマで男の色香とタフな魅力を振りまき続ける俳優・藤竜也。常にチャレンジを繰り返す仕事への姿勢、リラックスした素顔にすっかり魅了された天才テリーだが、1つどうしても許せないことがあるらしい!?

テリー 藤さんとお会いするのは、初めてですね。

 ええ。でも僕はテリーさん、しょっちゅうテレビで見てますけどね(笑)。

テリー ありがとうございます(笑)。新作の「お父さんと伊藤さん」、拝見しました。今回はまた、かつての藤さんのイメージとはずいぶん違う役ですね。

 かつての己のイメージに固執しないようにしてますから(笑)。できるだけ、演技の振り幅は大きくするように心がけています。今回は謹厳実直で律儀なお父さんの役でね。

テリー この映画の話が来た時は、どう思われたんですか?

 まずタナダユキ監督が、非常に僕の好きなタイプの映画を撮る方なんですね。女性監督と組むのも初めてだし、共演も上野樹里さん、リリー・フランキーさんという、今ノッてるセンスのいいお二方ということで、これならおもしろいものになるな、と。

テリー 藤さんは、いつも役作りをされる際に、何かやられていることはあるんですか?

 僕は、その役の履歴書を全部自分で作るんです。

テリー ええっ、それ、どういうことですか?

 例えば、原作小説にこのお父さんが「長野県出身」と書いてありましたから、実際に長野まで行ったんです。で、教育委員会の方に「この年齢の男が子供だった時、小学校はこの辺りにいくつあったか」みたいなことを聞いたり、昔の写真も見せてもらったりして、「この男はガキの頃、こういう山道を通って、こんな風景を見たんだな」と考えたりしてね。

テリー そういう取材は、映画会社に頼むんですか?

 いえいえ、そんなこと言わないですよ。自分で勝手に行くんですから。費用も全部自腹です。教育委員会っていうのも、教育関係に詳しい友人と一緒に行ってから、向こうで糸口を探しただけで。

テリー ということは、わりと行き当たりばったり?

 そうですね。高校なんかも、それっぽい学校を自分で決めて、OBみたいな顔して校内をふらついたんですよ。いかにも懐かしそうな顔して(笑)。今時の言葉で言うと「プロファイリング」と言うんですかね、それをやるのが楽しいんです。それだと仕事にかこつけて、いろいろなところへ行けるじゃないですか。

テリー ハハハハハ! それはいいですね!

 そんなことをしていると、だんだん役が近づいてくるというか、役の気持ちが僕の中にできてくる。そうすると、「よーい、スタート」で、勝手に体が動いてくれるんです。

テリー いや、それはすごいです。藤さんがそこまでするなんて、監督も関係者の皆さんも喜んでくれるでしょう?

 いや、僕が気になるのは、「完成した映画を観たお客さんに喜んでもらえるのかな?」って、それだけですから。この作品も、たくさんの人に観てもらえるといいなと思っています。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    自分だけの特別な1枚が撮れる都電荒川線の「マニアしか知らない」撮影ポイント

    「東京さくらトラム」の愛称で親しまれる都電荒川線はレトロな雰囲気を持ち、映えると評判の被写体だ。沿線にバラが咲く荒川遊園地前停留所や三ノ輪橋、町屋駅前は人気の撮影スポット。バラと車両をからめて撮るのが定番だ。他にも撮影地点は多いが、その中で…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

    テレビ業界人が必ず見ているテレビ番組「次のブレイクタレント」「誰が最も面白いか」がわかる

    「業界視聴率」という言葉を、一度は聞いたことがあるはずだ。その名の通り、テレビ業界関係者が多く見ている割合を差すのだが、具体的なパーセンテージなどが算出されているわけではない。いずれにしても、どれだけ業界人が注目して見ているかを示す言葉だ。…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【オフの目玉】巨人・大城卓三FA権取得で「出ていく可能性」と「欲しい4球団」
2
アナウンサーの人事異動がニュースになる裏事情「腹いせに自分でリーク」「承認欲求を満たす」ケースも
3
もし今季の中日ドランゴンズに「大谷翔平」がいたら…ChatGPTが出した「順位」と「打撃成績」
4
記者をドン引きさせっぱなしの阪神・岡田彰布監督が本当に怒る相手は「身内」だった
5
パ・リーグ移籍濃厚の中日・ビシエドに浮上した「カットされた立浪批判コメント」