スポーツ

ジャンボ尾崎 ツアー撤退示唆までの「賞金ゼロ生活」苦闘内幕!(3)「新ツアー構想」が動き出す

20161208m3rd

 そこにはジャンボ流の意地も見てとれる。ゴルフ担当記者によれば、

「見た目にはわかりにくいですが、シニアの芝は緩い。距離やピンの位置だけでなく、セッティングもまったく違います。レギュラープロから見れば『お遊びみたいなもの』に映る」

 また、尾崎が50歳以降、ツアー12勝していることも、シニア転向のタイミングを失った理由の一つとされる。武藤氏は、

「ジャンボは30代で暗黒の時代を経験している。持病の腰痛に加え、痛風も患ってスイングを壊し、79年、81年、85年とツアーで1勝もしていない。それを乗り越え、40歳を過ぎてから68勝を飾っている。そのため50代、60代になっても『最後まで俺の好きにやらせてくれ』という思いが強かったのかなと思います」

 シニアツアーの今季賞金ランキングを見ると、トップは6000万円以上を稼いでいる。3位の室田淳が約3300万円、弟・直道は約1500万円だ。ゴルフ専門誌編集者が嘆息する。

「50歳を過ぎてシニアに転向していれば、それこそ毎年のように1億円近く稼いでいたと思いますよ」

 来年1月24日に、尾崎は70歳の誕生日を迎える。一部からは「永久シード権の乱用だ」との声も聞こえてくるが、尾崎はどんな「決断」を下すのか。専門誌編集者が続けて言う。

「ジャンボが出場することで、若手のチャンスが潰れる。それは本人も自覚していて、今年9月の『ANAオープン』を途中棄権後、『他の選手に迷惑がかかる。将来のことを考えてさせてもらうよ』と話していました。しかし男子ツアーはスポンサー離れが深刻化し、女子ツアーと10試合以上も差をつけられている現状ゆえ、まだまだジャンボ人気に頼りたいところ。来年は『ツアー引退』の可能性もありますが、伝統や格式、ゆかりのある大会にしぼって出場するかもしれません」

 撤退か、条件付きで続行か。ツアー関係者は、ある「構想」が持ち上がっている、とも明かすのだ。

「実は水面下で、財力のあるPGAがJGTOを吸収する動きがあります。団体が一つになろうとするのを機に、男子ツアー人気復活を期して、ジャンボに一肌脱いでもらいたい。アカデミー設立の必要性も問われています。その財源作りに、ジャンボがスポンサーを引っ張ってきての、プロアマ戦形式のツアー構想が持ち上がっている。このオフ、ジャンボの意見を聞きつつ、動き始めそうです」

 最後に、武藤氏がこう締めくくる。

「ジャンボは巨人・長嶋茂雄終身名誉監督を敬愛し、かつて対談した時は、前日から対談会場のホテルに泊まったほど。『燃え方を教えてください』と聞いて盛り上がったものです。そのミスターがリハビリのかたわら、みずから野球教室に取り組んでいる。どのスポーツでも底辺の拡大、世界で戦える若手の育成に力を注いでいる。ジャンボの自宅には石川遼や古閑美保がアドバイスを受けに訪れていたほど。アカデミーの設立で、ゴルフ界を盛り上げてくれると思います」

 試合会場に持ち込む折り畳みイスには、ミスターの現役時代、二度目の監督時代の背番号を合わせた「333」の数字が刻まれている。ツアー撤退となっても、再び燃える姿を見られるかもしれない。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
大谷翔平を襲う「LA鉛中毒」アウトブレイク(3)重篤化すると手足が痙攣し
2
日本産ホタテ輸出「脱中国シフト」で習近平に完全勝利「今さら欲しがっても誰が売るか!」
3
【サッカー名選手秘話】中田英寿は「高校で別人になった」かつての仲間が明かした「激変」
4
「リチャードは劣化型サトテル」阪神ファンが揶揄する巨人「岡本和真の代役」本当の実力
5
江戸時代の「家政婦は見た!」将軍のシモの処理をする「大奥の女中」のスパイ活動