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記事全文を読む→小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(12)応援演説は小泉総理一択で
小池は、国会便覧を手に取った。狙いは、東京の選挙区であった。小池は、東京10区に目を止めた。
〈ここだわ〉
東京10区は、郵政民営化反対派の急先鋒、小林興起の地盤であった。小林は法案の採決で反対しており、今回は非公認となる。しかもテレビに出演する機会も多く、知名度も高い。ここに小池が立てば、インパクトは強い。メディアの注目も集まるだろう。
小池は決断した。
〈東京10区から出よう〉
小池は、こうして刺客候補第1号となった。
8月11日の閣議で、小泉総理は、小池を評価した。
「小池さんは、時の人になっちゃったな。自民党の上戸彩だ」
上戸彩は、戦国時代末期に反逆分子を瞬時に亡き者とする少数精鋭の刺客集団を描いた映画「あずみ」で、主人公を演じていた。
政界で最も度胸があるといわれる小泉総理は、感心したように言った。
「女性のほうが、度胸があるから」
小池はマスコミに、こう語った。
「戦国時代だったら、ヤリが飛んできたり、斬られたりするが、今時、政治生命を失っても、自分の命が失われるわけじゃない。だから、飛び降りることに何の恐怖もない。一瞬ゾクッとするが、むしろ自らへの励ましになる」
小池の東京10区での立候補は、選挙戦全体に大きな影響を与えることになった。次の刺客候補は誰になるのか、国民は興味津々となった。
8月30日、総選挙が公示された。小池は、すでに勝利を確信していた。
〈絶対に勝てる〉
小池は選挙戦では、これまでどおりの選挙スタイルを貫いた。
服装も沖縄のかりゆしウェア、しかも、エコロジーのグリーン色で通した。街宣車も日本中を探しまわり、ハイブリッド車のエスティマを使用した。
小池は思っていた。
〈選挙は、メッセージだ。環境を一生懸命訴えるチャンスにしよう〉
気温を1度下げるとされる打ち水を行ったり、ありとあらゆる環境に関する政策を訴え続けた。
小池は、小泉総理以外の応援弁士は断った。日程表に応援弁士が入っていると、小池は応援弁士に直接電話を入れた。
「こっちは結構です。ほかのところを回ってあげてください」
投票日の9月11日まで、あと1週間となった9月4日午後1時50分頃、小泉総理が、JR池袋駅東口に小池の応援に駆けつけた。
小泉総理は、詰めかけた約1万人もの前で、小池を褒めちぎった。
「さすが、環境は日本だけでなく世界の問題。世界で活躍しているのが小池さんです」
小泉総理は、小池に感謝した。
「今回、政治の“環境”をよくしようとして、わざわざ東京で立候補してくれた」
小泉は、さらに言った。
「小池さんは、愛嬌だけでなく、度胸もある」
小泉は、小池の右手を取り、上に掲げた。そのたび、路上から拍手が響いた。小池は、満面の笑みを浮かべて語った。
「はずみがつきました」
投開票日の9月11日、小池は10万9764票を獲得し、当選した。
その後、小池は、08年(平成20年)9月、総理大臣の座を目指し、女性として初めて自民党の総裁選挙に出馬した。総裁選は小池のほか、麻生太郎、与謝野馨、石原伸晃、石破茂の5人が出馬した。小池は、46票を獲得し、麻生、与謝野に次ぐ3位に食い込んだ。
16年(平成28年)7月31日、小池は、東京都知事に当選した。約291万票を獲得し、2位の増田寛也に100万票以上の差をつける圧勝であった。
運命は、興味深い。小池がもし小泉郵政選挙で東京10区に鞍替えしていなければ、東京都知事になる運命も待っていなかったであろう。小池は、絶えず運命を切り拓いてきた女性なのだ。
「突破の女王」小池のさらなる挑戦は続く‥‥。
大下英治(作家):1944年、広島県生まれ。政治・経済・芸能と幅広いドキュメント小説をメインに執筆、テレビのコメンテーターとしても活躍中。政治家に関する書籍も数多く手がけており、最新刊は「挑戦 小池百合子伝」(河出書房新社)。
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